60円で始まった恋が、人生を変えた話
60円で「夢中になれる恋」を見つけたことがある。
いつだってワクワクを探して、キラキラした人と一緒にいたい。そう思って生きてきた。
夢中になった相手なのに、開かない思い出として、扉付きの本棚の奥に眠らせていた。
彼のことを思い出すと、なぜか切ない気持ちになるのだ。
開かない思い出というよりは【なるべく考えないようにしてきた】が正解なのかもしれない。
今はもう、心の本棚を整頓できるはずだ。
noteに書いて浄化しよう。
夫に出会う1年前の話。
半年だけ付き合った年下くんがいた。
60円で始まった、恋の相手だ。
◇
どうにもならない事実に出会うと、やるせない切ない気持ちになるもんだ。
何が切ない気持ちにさせるかって
「好きだけど、彼の人生に私は必要ないし、私の人生に彼は必要ないだろう」が明確に分かったから、別れた。
どっちかが振ったわけでもなく「もう、なんか、一緒にいられないね...」という結末だった。
なんだかなぁ。って言葉が、この恋愛には相応しい気がする。好きだけど、一緒に過ごしていくうちに、歯車が噛み合わなくなっていく。
先のことを話すと、彼の考えは理解できるけど「その人生に私は必要ないだろう(ついていける勇気もないし、今の自分がそうしたいわけでもない)」とモヤモヤが増殖。
いつか結婚したいのに、私なにしてんだろ…?
一緒にいる意味とは?という
"考え抜いた先"の思考にたどり着いた私は、
離れることにしたけれど、彼のことは好きだった。
■ ある意味、ありのままでいられる存在
彼に、明らかに興味を持ったのは、バレンタインだった。
会社の上司から順に義理チョコを渡し、1番最後に年下くんにも渡した。そのときに、みんなの前で考えてもいなかったサプライズをされる。
「はい!これ!すずさんに、逆バレンタイン♪ へへへ ♪」
駄菓子売り場にある、いちごの形をした棒付きのチョコレートだった。
60円くらいのチョコに「なんだそれ!お前がふざけるから、すずちゃん困ってんだろ笑」と同僚からツッコミが飛ぶ。
「え!このチョコおいしいじゃん!ねぇ、すずさん!」
「ありがとう!このチョコ子供の頃、大好きだったやつ。おいしいよね笑」
そう言って、その場をやりすごしたが、内心「かわいすぎるだろ」と気になってしまい、まさかの60円で始まったコスパの良すぎる恋だった。
2人で話して、ふざけている時間が楽しかったし、自分の興味のあるものを見せ合って笑ったりと、子供のときの"ありのままの感覚"を共有できる相手だった。
■ 想ってくれていた彼を、受け止めてみる
長く付き合っている彼がいるときから「彼氏さんとは、うまくいってるの?つらいときは俺のとこにおいでよ!笑」と、ふざけて言うような年下くんだった。
「いや、うまくいってるから大丈夫。それより、女の子を泣かせないように落ち着きなね」
年下の彼は、知らぬ間に女の子を夢中にさせてしまって、困っていることも多く、違う次元の生き物感が否めなかった。
結婚を考え、長く付き合っていた彼と別れた後。
まさか年下と付き合うなんて、思いもしなかったけれど、カッコつけていないマヌケなときの私も受け入れてくれたし、とても気が利く性格で「元気ないね、大丈夫?」と気にかけてくれる存在は、すごく救われたし居心地がよかった。
彼と気ままに出かけて、何も計画をせずに過ごす休日。
リサーチして行く場所を決めがちな私にとっては、彼の軽やかなフットワーク、その地で出会った人と話す楽しさなど、新鮮なことばかり教えてもらった。
一緒にいることで、私の考えがちな「こうしなければならない」という凝り固まった思考が、少し解放された気がする。
石橋を叩いて渡る私からすると、軽やかな羽根のように生きている彼の生き方が、とてもうらやましかった。
■ 話し合うたびに、ズレていく2人
仕事やプライベートを含め、今後どうやって生きていこうかな?を考えるときが、ときどきある。
・結婚への考え方
・お金への考え方
・仕事はどうしていきたいのか
・今どんな土地で生きたいか
いつか結婚したいと思っている私は、なんでもない日にフワッと、彼の考えを知りたくて聞いてみた。
軽やかさに惹かれたはずなのに、その軽やかさが、「私の価値観とは、大きく離れている事実」にぶち当たったのだ。
当時の私は、こう思っていた。
今までの恋愛だったら、相手に合わせることができてしまう私は、何も気にしてない風に、一緒にいることもできただろう。
しかし、結婚(人生を共に歩む)を考えたとき、彼と私は人生を一緒に歩めないことが明確だった。
彼の人生に、私は必要ないだろう。
私の人生に、彼は必要ないだろう。
半年の間に、悟ってしまったのだ。
好きだけど、一緒にいても先が見えない。
彼と話し合うまでは、年下だからかな?と思っていたけれど、年齢ではなく、人生への価値観が全く違うことに気づけた。
年下だから、結婚を考えられないわけではなく
年下だから、将来が不安なわけでもなく
根本的な人生の価値観が、全く違っただけだった。
話すことで、お互いに気づけることは多い。
違う価値観を持つ相手に「私にとっては未知!その軽やかな感覚!うらやましい!」と惹かれ
違いすぎる価値観に「この先は見えない」ということを知った。
■ 時間が経った今、思うこと
彼と一緒にいたこと、別れたことに後悔はない。
彼は今、あのとき言っていたように田舎に住んでいて、似たような感覚のパートナーと暮らしている。
私は、東京にいて、似ている価値観の夫に出会い、夢を叶えてフリーランスになった。
あのとき、自分の人生について話し合って、思い描いた未来は、お互い現実になったのだ。
彼と私が付き合ったのは、たった半年程度だったけれど、お互い自分の人生を考える、大事な時間だったように思う。
全然違う感覚の彼に惹かれて「一緒に生きられない」が分かったから
似たような感覚の彼(夫)に出会い、付き合い初めて6年経った今でも、同じ方向を向いていられる。
自分がどうしたいのかを、真剣に考えるきっかけをくれた年下くん。ありがとう。
彼が、彼らしく暮らせていますように。
最後の婚活のはじめかた アラサーすず*
■ Special サンクス
書いてみよう!と思う、きっかけをくださったのは、nakoさんのnote。
状況は違えど、年下くんに惚れた経験は同じ。
わたしの場合はあのときから何年も経って、心の整理が出来た今の気持ちを、書いてみました。
書いてみたい!と私の心を動かしてくださり、ありがとうございます♡笑
◇
あとこちらの60円のお菓子を、忘れてはならない。
ロッテさんの、いちごつみ。
わたしが、人生を見つめ直すきっかけになった、お菓子である。
子供のころ、いっつも買ってたぜ!
左右どちらから食べるか、いや真ん中から食べようか、いちご味の部分だけ先に食べてみよう、ゆっくり溶かしながら牛乳と食べよう、、、なんて子供のころ楽しみながら食べていた記憶がある。
Specialサンクス!笑
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