畑の雑草観察、保温の状況によりで生えている雑草の種類が違うので種類ごとに発芽・生育適温があるのだろうと思う、備中鍬による畝立て法の工夫、西鶴文学に出てくる野菜の漬物のことなど。
井原西鶴の好色一代男に「いま日が暮れて間もなき夜食、まづ蓋をあければ小豆食、『これはおもしろい、鯖きざみて穂蓼置き合わすこそ心にくし』と思えば、湯を飲むまで香の物を出さず」と言う描写が出てきます。
日が暮れてすぐの夜食の蓋をあけると小豆飯だった。これは面白い、鯖を刻んで穂蓼(タデの穂)が付け合わせてあるのはよいと思ったところ、湯を飲むまで香の物が出てこなかった
いくつか思うのは、雑穀を炊き合わせた「小豆飯」がコメが不足しているから雑穀を混ぜたのではなく、「おもしろいもの」と評価されている点です。
鉄の古代史(奥野正男)によると、縄文晩期~弥生、稲作開始後の人々は、コメだけで腹を満たしていたわけではなく、イモやマメ、ドングリなどを混ぜたお粥を食べていたそうです。これには十分なコメが採れていない事情があったようです。
小豆ゴハンが「ごちそう」になるまでの「混ぜご飯」の歴史も調べてみたらおもしろそうですね。
ところで、好色一代男のこの描写には、「香の物」(漬物)が出てきますが、同じ井原西鶴の好色一代女にはナスの漬物が登場します。西鶴の時代の「漬物」の位置づけと言うのも調べてみると面白いかもしれません。
さて、新しく買った「校庭の雑草(岩瀬徹、川名興、飯島和子)」を使って、畑の草の同定と定量を試みました。
冬季に耕作しなかった場所は、全般にオオイヌノフグリ、ついでヒメオドリコソウが優先している畝が多いようです。また小松菜やセリフォンなどを収穫した畝では、収穫し残っている野菜の周りはあまり草が生えず、野菜が収穫されて「空き」になった場所をオオイヌノフグリやヒメオドリコソウが占拠しつつあるのも観察できました。
部分的にハコベやナズナ、アメリカンフウロも観察出来ました。
不織布などを使って保温していたニンジン、小松菜やホウレンソウの畝にはかなりホトケノザが生えていました。
早くに保温を撤去した小松菜の畝のホトケノザは高さ15cmほどでしたが、つい最近に撤去したばかりのホウレンソウの畝のホトケノザはは、20cmほどになっていました。
それから、ミニハウス内の大根の畝では、次々カキオドシが発芽していました。
こうして見ていくと、オオイヌノフグリやヒメオドリコソウよりもホトケノザ、ホトケノザよりもカキオドシの方が、「暖かい」環境で生えてくるようです。
雑草の発芽温度や生育温度に違いがあると言うことでしょうか。
野菜の生育を妨げない雑草やハーブ、自生しているシソやフキなどを活用して、草取りの手間を減らす「たんぽぽ農法」を考えていく上で、雑草の生育適温について考えてみるのも大事だと思いました。
なお、「校庭の雑草」の本には1メートル四方の測定枠を定置して定点観測を行う方法が記載されていました。
確かにこの方法は、精度の良い測定が出来ると思いますが、畑で1メートルメッシュの観測を続けるのは手間がかかりすぎます。
見沼菜園クラブでは、だいたい畝長を10メートルにしているので一つの畝を左、中央、右と3分の1づつに分けて、優占種を把握していく方法でやっていこうと思いました。(昨日みた感じでは、だいたい、この方法で概ねの雑草の傾向は把握出来るのではないかと思われます。)
2週間予報は、3/7から6日間に渡って最高気温20℃超えとなることを伝えています。
バレンタインデー寒波が過ぎつつあった2/16に種まきした小松菜、カブ、チンゲンサイ、サニーレタスは双葉が発達しています。2/18に種まきしたキャベツ、ブロッコリー、コールラビは発芽しつつあります。2/24に種まきしたビーツはかなり発芽してきました。ビーツは例年発芽率が悪いと思っていたのですが、今回はセルトレイに土をよく鎮圧して種まきしたところ、かなりの発芽率で出てきました。
昨秋、同様の方法でローマンカモミールやパセリの種まきをしたところ、発芽率が良かったので、この方法を試してみましたが、いろいろな種類の野菜で使えそうな方法です。
備中鍬は、長さ10メートル、幅60センチに地面に紐を張り、左、右、左、右と言うように雑草ごと掘り起こすと、20センチの深さの「溝」が出来ます。溝内でもう一度、備中鍬を突き立てると、深さ30-40センチぐらい、場合によってはもっと深く耕され、「硬盤」の少なくとも上部は破砕されるようです。
これで10メートル畝1本1時間以内での畝立てが可能です。半日で4-5本の畝が出来るので、雑草除去と硬盤破砕をしながらの作業としてはまあまあの速度です。ただ、かなり手首とヒジに負担がかかるので、ちょっと「フォーム」や「動作」を工夫した方が良いと思いました。
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