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【四谷合不合・国語】四谷大塚 合不合判定模試④ 感想と分析 おまけ 小5・4組分けの雑感も

はじめに



合不合④の偏差値が出て1週間。
そして、2学期の2回目の合不合が終わりましたね。

受験校(実際受ける学校)は、9月~12月の平均偏差値をベースに決めることが多いのですが、
12月はもう出願もはじまっているところもありますので、
実質、9月から11月の平均を見て塾の担当の先生との面談、家庭教師の先生との相談、家族会議などを経て、出願パターンを決めていくというところでしょうか。

もう大事な試験の2回も終わったので、結果を受けて、ご家族でいろいろな話合いをしていることでしょう。

思うように結果が出ず、おうちで荒れている男の子、毎日泣いている女の子など、いろいろな話を聞きます。
結果が出なかった子にとっては、なかなかしんどい時期ですね。

逆に良かった人は、「もう大丈夫」と受かった気でいると、強烈なリバウンドがきますよ。
2キロやせて、5キロ太るみたいな。
安心して、いつもしている大事なことをしなくなって、大失速するということも毎年見ます。
例えば、毎日の計算や漢字、国語の解きなおしとかですね。
「これで大丈夫」なんてことは、合格するまでないのです。

そんなわけで、合判④の国語について、9月の試験と比較しつつ、検証していきたいと思います。

ぜひおつきあいください。


概観


総語数 約8300語
男子 82.2点
女子 87.5点


9月合判
平均点 男子 76.7点
    女子 81.4点

字数は相変わらず多いですが、前回に比べたら、平均点も6点近くアップ。
文章は、物語も論説文も、かなり読みやすくなっている印象です。

前回苦戦した人も、今回は文章に対する理解度が高く、点数につながった人もいましたね。
逆に、前回良かったのに、平均点が上がったがゆえに、偏差値を下げてしまった子もいます。

国語は1回だけのテストでは判断しきれません。
文章との相性やもあります。
やはり複数回の平均を見て、判断するものです。
それは、4科の成績もいっしょ。
たまたま良かった、たまたま悪かったというのを、すべて込みこみで
平均偏差値がその子の学力を表しているのでしょう。


大問1 物語文


高山環「夏のピルグリム」
語数 5201語
読む目安 7分


今年7月出版したばかりの、作者のデビュー作。
第12回ポプラ社小説新人賞奨励賞受賞作。

とてもみずみずしい空気感を持つ新鮮な作品ですね。

状況把握さえきちんとできれば、点数が稼げたのではないでしょうか。

印象的なのは、問4
「箸が転んでもおかしい年ごろ」がみな、誤答していたというところ。
「何でもないこと、たいしたことでもないのに、笑う」という意味。
「小学3年生は、えんぴつが転がっただけで、あはは~と笑う」なんて言い方もしますが、そんな表現に触れたことがあったら取れる問題ですね。

問9 記述 主題に関する問題
朝日に対する「夏子・わたし」の気持ちが、
マイナスから、プラスへと変化していくことを説明する記述。
Ⅰは、正答率31.3% 偏差値60以上狙うなら必答問題。
Ⅱは、正答率15.7%だから、取れなくてもOK。


大問2 論説型随筆文



青木真兵 「武器としての土着思考 僕たちが「資本の原理」から逃れて「移住との格闘」に希望を見出した理由」
語数 3155語
読む目安 7分


前回の図表入りのザ・理系説明文に比べたら、だいぶ読みやすくなりましたね。
筆者の体験が具体例となっていて、わかりやすく論旨が展開されています。

正答率的に見ても、問5以外はすべて30%以上なので、解きやすかったのでしょう。
記述の問5にしたって、27.0%なので、書きやすい方。

筆者の主張・結論がしっかりつかめるか。
語いも難しめのものが出てきていますので、そこも含め試されます。

ただ、設問は平易なことが聞かれていますので、物語を最速で終えて、最後の問題までやり切れたか。

感覚で解かずに、きちんと本文から手がかりを見つけ、正解を選べるかというところが勝負の分かれ目でしたね。

語いノート


難しそうな言葉も、まとめてみました。
本記事のメインのつもりで、作ってみました。


1ページ目をとりあえず



今までのとはちょっと変えてみて、辞書的な意味をわかりやすい言葉で説明しました。
目標は、偏差値30・40台の子でも、わかる言葉で説明すること。
いま、いろいろ試行錯誤しているところです。

言葉は、文脈のなかで使い方を覚えていくことが最強です。
解きなおしがすでに終わっている人も、ぜひ活用してみてください。
曖昧な意味理解の言葉も、読むだけでクリアになることもあるかと思います。
文章を読み直すことで、文構造、物語の展開がわかり、読解力がつくだけでなく、語彙の理解も深まります。

また、解きなおしをいっしょにやっていて、偏差値30~40台の子は、驚くほど言葉を知りません。
知らないから、問題の選択肢の意味がわからないのです。
そして、そういう子に限って、意味調べとかしてくれませんし、言葉を軽視しがちです。
後回しにしがちな言葉との格闘ですが、そういう子ほど、地道に言葉を増やしていくしかないんですよね。

ただ、これだけの数の言葉を意味を調べてたら、確かに時間がかかります。受験生は忙しいですから。
その手間がこの語彙ノートを見て省くことができたら幸いです。

全部ピックアップしたら、すごい量になっちゃいました(汗)
自分のわからない語句にチェックをいれて、自分の解きなおしノートに写したりして、活用してみてください。

気になる人は、ダウンロードしてみてくださいね。

★ピンクのほうが重要。
★わからない言葉があったら、▢にチェックを入れてみてください。
★もう一度、本文を読み直し、実際どう使われているのか、確認してみてください。
★印刷する場合、カラー印刷推奨ですが、モノクロ印刷の場合も、印刷濃度を下げたら、いい感じに印刷できますよ。

おまけ 小4.5組分けテストの雑感


小5組分けテスト

平均点85点。
平均点は先月と比べ5点上がっていました。

文章もだいぶ読みやすくなっていましたね。
物語の方は、自分の本心、気持ちと自己像に悩む女の子の話。
またこのパターンの話か、とわかれば、全問正解もいけるような文章・設問です。
イメージが掴みづらかった子は、いろんな文章・本を読み、自分の知っている話を増やしていきましょう。

論説文のほうは、言葉・内容自体はやや難しかったのですが、その分、設問は簡単でした。
だいたい、傍線部の近くに、解答の根拠が落ちていますね。
如才なく見つけられれば、高得点も狙えました。


小4組分けテスト

平均点92点
ウルトラ簡単な試験。
ミスしたら負けの戦いでした。

最後までやり終えることがマスト。
要領の良い子は、満点近く取っていました。
大問1に夢中になってしまい、大問2の途中で時間切れ、最後白紙の子たちは、厳しい結果が待っていました。
やや、物語の状況把握が難しく感じた子もいたようですが、前文の設定をしっかり読み込んでいれば、文章の中で迷子になることはないでしょう。
ここを読み飛ばさずに、きちんと把握できたかがカギでしたね。

やはり、終わらせることが最優先。
1問にとらわれず、飛ばす勇気を持って、最後までやり切ってほしかった試験でした。


おわりに

今回は、同日に小6・小5・小4と試験がありましたが、
全学年平均点が上がっていましたね。
昨年の流れを思い出します。

昨年の合不合も、今の時期、平均点90点前後と、
「え? これ合不合なの?」というような易問続きでした。

簡単な問題ばかりだと、真ん中クラスの生徒がよく偏差値を伸ばします。
逆に、上位クラスの子が、足元をすくわれまくってました。
国語が苦手な子も、当たれば偏差値が伸びる試験。
ただ、それだと難関校の対策にならないのではと思ってしまいますね。

来月はどうなるのかわかりませんが、しっかり分析・対策を講じて次回の試験に臨みましょう。

ここまで記事を読んでくださいまして、ありがとうございました。
この記事が、すこしでもあなたとあなたの大切なお子さまのお役にたてれば幸いです。
次の記事で、あなたをお待ちしております。



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