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【ガールズパワーと骨上げの大盗賊】~ひっくるめると親族じゃなくても遺骨を受け取れることがわかった(震)~
2021年2月19日(金曜日)昼下がり、親族じゃなくても2月21日に焼かれる遺骨を受け取れることがわかったので、今、僕は喜びに震えているところ。
なんちゃらの沙汰も金次第とかいう通り、葬祭費用を払い、斎場の費用を払いすれば、遺族じゃなくても、骨はもらえるのだろうけれど。僕にはそんなお金はないし、彼女はそういうことをされるのをとても嫌がる人。
暮らしの中、彼女はいつもお洒落をして、キップがよくて、シャンとしていた。「これ、もらいもんだっせ」と舌を出しながら、ちゃんと自分に似合うものを身に着けていて、自分の好きなもの、食べたいものにはちゃんとお金を使うようにしていた。
高島屋に2時間かけて歩いていってる頃は「はれまのちりめん山椒」が好物でよく買っていた。
千日前の「坂町の天丼」については「あっこ、普通はえび2匹ですねんけど、特別にわたし3匹のをつくってもらいますねん」とのこと。
道頓堀の「はり重」は本店の脇にある「はり重カレーショップ 」がコスパがいいと激推し。芸者時代のお稽古の頃、ここの後に、喫茶アメリカンに行くのが定番だった。
えびが好きで、肉も好きで、野菜は嫌い、甘すぎるものが嫌い。
そういう人。
他人様にモノを頂いたとしても小さな声で「あんまおいしいことありまへんねん」とお道化てぼやく。そういう人。
逆に僕らとごはんにいくと、足も悪いのに知らないうちにトイレに行く顔でお金を払う。財布を出そうとすると怒る。そういう人。
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そんな彼女の生前の希望は、彼女の人生の中でとても大切にしてくれた「おじいちゃん」がいる一心寺に自分も入ることだった。
『人はようけくるし寂しいことないでしょう?前からお願いしにいってますねん』
どこの墓に入るとかあまり興味がなかった僕は、そういう話を聞いても、 さほど気にしていなかったけど、『先生、私では身の振り方がわかりません。(施設にいくのか、家にいるのか)どうしていいかわかりません。相談のってください。』(先生とか、お父ちゃんとか呼ばれていた)という耳の遠い人独特の一方的な電話をもらった昨年あたりから、
『生活保護の人って死んだ後、骨ってどうなるのかなぁ』と考えたり、人に聞いたりして・・・、なんとなく大阪市の規定にある場所で「合祀」されるしかないみたいな情報を得ていた。
で、いよいよ、亡くなったわけなんだけども。
で、まぁ、骨もなるようにしかならんやろ、と思ったわけなんだけども。
で、そんなことで恨まれることもないでしょ、と思ったわけなんだけども。
一応、「親族じゃなくても、お骨って引き取れたりするんすかねぇ・・?」と方々に聞いてみることにした。
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生活保護担当ケースワーカーさん(1回目)
・親族はいるにはいたが「ほぼ人間関係もないし、遠方なのでそちらでうまいことやってほしい」という要望。その為、葬祭扶助をつかって、簡単な葬儀と火葬、合祀を総じて大阪市の管轄下で行うことになる。
・遺骨は1年程度は、斎場に保管されていて、それを受け取るには、公正証書等を用いて遺族であることの証明が為されたら『遺骨引き受け』が可能となる⇒遺族じゃないと引き受けられない。
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僕の友達の仲良しのケアマネジャーさん(本人も会ったことがある)
「葬儀参列させてもらって、その後、斎場で骨上げの最中に盗骨とかってやばいよね?罪重いかね?」と相談すると
「(笑)分骨っていうのがあるよ。葬儀屋さんに聞いてみたら」と教えてくれる。分骨について調べると、法的に問題ないと書いてあり、割と日常的に家族ではなくても行うとのことで、俄然、テンションがあがる。
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葬儀屋さんの電話対応の方
・今回は生活保護/福祉の窓口で対応になっている為、お骨も最低限しか取っておけないこと(大阪市の規定)になっている
・分骨に関しても、規定に入っていない対応をするなら、葬祭費用・斎場費用も含めて、対応してもらわないといけないことになっている
・葬儀に参列するのはいいとして、斎場へ同行するのは良くない
(くっ・・)
・(遺族じゃないけれどどうしても・・という事情を理解してくれて) 一定期間であれば斎場でお骨を保管していてくれるので、もう一度、生活保護の窓口で聞いてみるといいかもしれない。遺族ではなくてもいい方法あるかも
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生活保護担当ケースワーカーさん(2回目)
・(葬儀屋さんでこういう話を聞いたのだけど・・と再度相談)確かに、葬儀屋さんの言った通りであり、大阪市の規定の中での対応となる。
・斎場で保管した後については合祀されると思うが・・・・確かにその細かなところは、実際、斎場に聞いてみるのもよいかもしれない
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斎場の電話対応してくれた方
・基本的に、大阪市の規定の中で対応しないといけないことになっている
・遺骨の保管期間は毎年8月31日が軸になっていて、2回8月31日を越える間に、遺族が引き取りにこなかった場合、合祀されることになっている。
(そうですよね・・わかりました。ちょっと難しいですよね・・・)
「その上での話なんですが、2回目の8月31日までにお電話を頂き、9月1日以降に取りにいきます等、相談してくだされば、遺族の方ではなくても、(遺骨の管理責任は持ちますという)誓約書を記入の上、お骨を引き渡すことができるんです」(総じて、丁寧な応対の中で、このくだり、キラっと眼鏡を光らせながら熱量を軽く上げて彼は言った・・・と勝手に僕は思った)
え??なんで?まじか。いけるん?
「実は2回目の8月31日まで大阪市の規定範囲なので、そこを越えると範囲外なんです。なので、私〇〇といいますので、いつでもわからないことはご相談くださいね。2022年の8月中にお電話を頂けましたら、準備させて頂きます。」
よっしゃーーー。
というわけで、2022年8月31日以降、僕は、斎場に行き、遺骨をはれて引き上げることができ、約束を果たせるのだ。
ちょっと待ってなさい。
どこでか知らんけど、彼女はきっと行った場所でもうまくやれる人だから2年くらい我慢しなさい。
応対してくださった皆さん、そして、相談にのってくださった皆さん、
本当にありがとうございます。本当にありがとうございます。
2021年2月19日(金曜日)昼下がり、親族じゃなくても2月21日に焼かれる遺骨を受け取れることがわかったので、今、僕は喜びに震えているところ。