【「表現する場」の重要性】吉野ヶ里の暮らし|トークセッション OK COFFEE福山さん
「シャッター商店街」という言葉が取り沙汰されるようになった昨今。大型ショッピングモールやコンビニの台頭、店主の高齢化などさまざまな要因で衰退している商店街の問題は、どの地域でもよくある話なのではないだろうか?
佐賀県神埼郡吉野ヶ里町もその一つ。吉野ヶ里公園駅という町に唯一ある駅前からまっすぐ伸びた先に商店街が……「本当にあった?」と誰かに問いたくなるくらい寂れている。そんな場所にあえてカフェを開き、町を盛り上げようとしている人がいた。
OK COFFEE Saga Roastery オーナーの福山徹さんは、どのようにして地元の人々に愛される場所作りをしているのか。そして、地域を盛り上げることにこだわるのはなぜか。
佐賀の暮らし観光案内所として、地域プレイヤーの想いを聞いてみたい──。そんな想いで、伺った。
ここは、佐賀の暮らし観光案内所。
佐賀県に暮らすプレイヤー5人が、20市町に住んでいる「人」を訪ね歩いたダイアログ。
主役はその土地で暮らす人や生活だ。私たちは、地域に生きる人たちと「友達」になれるような観光を「暮らし観光」と呼び、地元目線で案内してもらった町歩きでわかったことをみなさんに紹介していく。
前回の佐賀の暮らし観光案内所「吉野ヶ里町 編」については、下記の記事より。
聞き手は、嬉野温泉旅館大村屋オーナー 北川とNPO法人 灯す屋代表 佐々木が務める。(写真左から福山徹さん、佐々木元康、北川健太)
代々お世話になって84年。この町のご縁を大事に。
北川:吉野ヶ里町のこと全然知らなかったんですけど、実際に福山さんに案内していただいて、この町が「吉野ヶ里遺跡だけじゃなかったんだ」というのを本当に実感しました。一番印象的だったのが生活も商売も理想的なサイズで、それぞれが理想的な価値観で運営されているのがいいなと感じました。そこに人々の暮らしの豊かさや温かさが感じられて、とても楽しかったです。
佐々木:みなさん「やりたいからやる」「これが得意だからとか好きだからやる」さらに、「飽きたら別のことをやる」っていうのが、正直でいて人間らしく、無理してないというのが、町で出会った人みんなから感じられて……それがすごい新鮮でした。自分も住みたくなる感じを受けました。
福山さん:今回、皆さんに町を案内させていただくことで、そう言えばこんなところあったなとか、普段気にしないところにも目がいって、新たな視点が加わったのでいい機会になりました。
北川:改めてなんですけど、OK COFFEEを作ろうと思ったきっかけってなんだったんですか?
福山さん:僕は、実は吉野ヶ里町(旧三田川町)で、じいちゃんの代から84年間印材の事業をしています。株式会社アイテクって言うんですけど、いわゆる印鑑の上の部分。特に実印や、学校などで使われるゴム印製造に特化した、町の工場ですね。案外知られてないんですが、全国で使われている"薩摩つげ"という印材はほぼここで作ってます。
北川・佐々木:えええええー!!
福山さん:およそ80%は吉野ヶ里産。笑
ここで、4年前に父から会社を引き継いで、運営しています。
吉野ヶ里って町を歩いてみると駅からOK COFFEEに歩いてくる間とか、どこもシャッターがしまっていて、昔は商店街だったなんて誰も想像がつかないでしょう?小さい頃からずっと住んでたこの町の駅前が、これだけ廃れているということに、昔から残念な気持ちを抱いていました。
ご縁で住んでいた場所ですが、この町があったから代々、会社を運営できていたわけで……僕が会社を継いだ時には「この町に何か貢献したい」と思っていました。それがきっかけですね。
北川:それでなぜコーヒー屋を選ばれたんですか?
福山さん:町を賑やかにしたいと思った時に、みんなが気軽に集まれる場所を作ろうと考えたんです。
コーヒー屋って、家と違うホッと一息つけるもう一つの場でもありますし、誰かとコミュニケーションをとる場でもあるじゃないですか?
印鑑事業だけだと、町の人との直接的な接触はなかなか難しいですし、僕は、そういう人と関われる場所を駅前に作りたかったので、コーヒー屋という選択をしましたね。
北川:今日見てて思ったんですけど、おばあちゃんとか、洒落たコーヒー屋さんとかに普通立ち寄らない住民の人が、普段から通ってるというのが感じられたんですけど、それって何かねらってたとことかあるんですか?
福山さん:狙っていたわけではないですが、顔馴染みと言いますか挨拶に行ったり、地域の清掃活動で会う機会があったりした時に、自分たちがこういうことやりたいという思いをちゃんと伝えるように心がけていました。
「近くでお店をさせてもらいたい」「昔、商店街だったこの場所をもう一度あの時のように賑やかにしたい」ということをずっと言っていたんです。そうすることで、自然と応援してくださるようになったのだと思います。
今日もまさに、近所のおばちゃんに「賑やかになったね〜」と言われて、めっちゃ嬉しい!ってなりましたね。
町の人にとってもいいまちづくり
北川:コーヒー屋の他に、駅前の用地を活用して観光農園やったり、実際に農園の作物を食べられる場所を作りたいと話されていましたが、今後のビジョンってどう考えられてるんですか?
福山さん:コーヒー屋は、僕が会社を継ぐ前、バックパッカーをしていた時期に出会った人とのご縁でアイディアをいただいて始めたというのもありますが、コーヒー屋を始めたことでできたご縁もあって……
農業系の資材を利用し、微生物を活性化かせて無農薬に近い状態で野菜を育ててらっしゃる人と出会ったんです。すごく面白いと言うか、この地域にそんなことしている人がいたんだ!って感じで、それを食べられる場所を作りたいと直感で思いましたね。
OK coffeeのある場所から駅を挟んだ北側には、農地しかありません。でも、その農地って僕は吉野ヶ里の魅力の一つだと思っていて、農地に人が訪れるようになったら素敵じゃないですか?
コーヒー屋から始まり野菜作り。それを食べられる飲食店と一個ずつ増やして行けば、吉野ヶ里町に観光にくるお客さんも増えるのではないか?と考えています。
そうすれば、町を歩く人も増えるし、僕が目指していた吉野ヶ里駅周辺の賑わいを取り戻すことにも繋がるのではないかと。
耕作放棄地にマンション建てるとか一時的な問題解決ではなくて、地域の人々にとっても観光客にとっても継続してメリットのある活用をしたいし、体にいい「食」って全てに繋がってると思うんですよね。
佐々木:いやー。なんだろう……もちろん、応援してもらっていると言う地域コミュニティのベースはあるんだろうけど、会うべくして会ってる気がしますね。次に新しいことをやろうとしたときに、微生物のことをやっている人に会ったりとか、一緒に農園をやってくれるパートナーに出会ったりとか……普通そう簡単に出会わない。
やっぱり自分が想いを持ってしっかり発信し、それ以上に動いて、私たちにも話していないようなことを行って、繋がりを強固にしつつ、新しいところも視察に行ってというね。そういう見えない努力があるんだろうなというのを感じますね。
そこがなかなか難しいところだから……
「(町を)表現する場」の重要性
佐々木:綿密に計画立てたり、ビジョンをしっかり持ってやってきて、今のところうまく行っているとは思うんですが、逆にお店開いて動いてみて、思ってなかったことってありますか?よかったことでも、思ったのと違ったなというのも含めて。
福山さん:それが、予想以上にいいことばかりしかなくて……
僕に会いにきてくれる人が、今までの事業とは別にこのコーヒー事業に対して町おこしをするってことに興味を持って会いにきてくださる人が増えたんです。
印材屋の社長から、町おこしするコーヒー屋の店主っていう一個ステータスが増えたことによってだと思うんですけど、トータルして僕に会いにきてくださる。
町の知見を出しやすくなったというのが一番大きいですね。
僕に会いにきてくださりやすくなったのも、こういう開かれた場所を作ったからだと思うんです。
さっき話した、観光農園の話もですけど、コーヒー屋をする前は、農園作ろうなんて思いもしなかったことですし、そういった発想もたまたまなんです。
やらなきゃよかったなとか、ここ苦労したなとかいう点は正直、全くなくて。
例えば、今はお店の前に駐車場があるんですけど、お店を開いたばかりの時は、借りることなんて全く考えてなかったんですど、思った以上にお客さんがきてくださるようになったんで、駐車場問題が出てきたんですね。
それで、空き地の所有者であるハウスメーカーさんに問い合わせた時、すぐに社長さんが話しを聞いてくれて、快く貸してくれたんです。
実は、社長さんの息子さんが留学される時に相談にのっていたとうことがあって「あの時お世話になったし、そんな高くとろうと思ってないよ」と言ってくれたんですね。
課題だった駐車場問題も今までのご縁から解決された。
今思い返してみると、何か問題が起こった時に、身近な人を辿っていくとそこですぐ解決するし、不思議とまた新たなご縁が生まれるんです。
僕は「ご縁」という言葉はすごく好きなんですけど、そういった繋がりを大事にして、今まで構築してきたものが花開き始めたので、今後も何か課題があっても解決できると思っていますね。
佐々木:ご縁が花開いたんですね。お店をつくったことで外に開いて。
北川:それまでは、場がなかったわけですね?印鑑を作る会社の社長として表現する場所がなかったというわけですか?
福山さん:そうですね。やはり、印鑑事業は、町にはあんまり関係のない仕事というか、僕たちが作った印材を全国のハンコやさんにお届けする仕事。町にはなかなか直接的な消費者の方はいらっしゃらない。外の人とのコミュニケーションもなかなか取りづらい。
けれど、このOK coffeeを作ったことによって、皆様がこの場所の価値を体感したり、ここ吉野ヶ里町でもこういう楽しみ方ができる場所ができたんだ!というのを知ったりすることができれば嬉しいですよね。
僕は、世界を旅するのが好きだったんで、外のエッセンスを吉野ヶ里流に落とし込むことはしたいですし、世界や日本全国からコンテンツを持ってくれば、町の若い人達も喜んでくれるはず。
町の方々やその周辺地域の方々(福岡・長崎・熊本の方達)に吉野ヶ里を楽しんでいただいて、僕はそれを全国・全世界に広げていきたいです。
大人の背中とシビックプライドの関係性
北川:旅館も有田焼もそうですけど、外の人と商売をするという中で、それをちゃんと町につなげていくことまで思える経営者ってなかなかいないと思うんですよね。
僕は旅館をやっていて、場所が観光地なんで町が盛り上がることが町の価値となるからやるというのは流れとしては、スマートなんですけど。
有田だったら焼き物つくって世界や都市部に売るという中で、それを町の賑わいのためにという思考になかなかなりづらいところ。
福山さんの場合、それと近い。しかも印鑑とコーヒーって全く別の事業ですからね。
北川:さっき、道中でお聞きしたんですけど、現在お父様は吉野ヶ里商工会の会長をされているとか。しかも、現役時代は、吉野ヶ里で初めて軽トラ市を始められた先駆者。30歳で息子に会社を譲ると決めたり、町のことも息子のことも信じてる感じがして、福山さんの町づくりへのこだわりは、血でもあるのかな?という気がするんですけど……
小さい頃からそういうお父さんのことを見てるから、シビックプライドが生まれて、それが町のためにっていう思考になってる気がして否めないんです。
福山さん:そうかもしれないですね。
北川:今は、多くの子供が学校と家と塾の往復だけで、町と関わる場所っていう経験がないからシビックプライドが生まれにくい時代だと思うんです。
でも、こうやって駅前でしかも店の前には高校生の駐輪場があって……僕すごくそこが感動しました。
自分が高校生だったら、いつも自転車止めてる前に350円でこんな美味しいコーヒーが飲めて、友達と話せたり、大人と関われる場があったら絶対この町のこと好きになると思います。
さっきのカレー屋「せなふち」さんも住んでたこの町のことが好きだったから都市部でというよりかは、ここでやりたかったとか。そういう風に若い人たちが思える町になることが大事だなと感じましたね。
町の定住とかUターンで戻ってくるとかって、親の姿で決まる気がしてて、親がすごく楽しそうに町で暮らしてるというすごい単純なことなんだけど、めちゃくちゃ難しいことだとも思うんですけど、その辺どうですか?
福山さん:やっぱり親父の背中はでかいですね。20〜25歳くらいまでは、親父の仕事を超えるための仕事をやると決めていました。
でも、そのうち僕にはその器はないと実感して……前職は車屋さんで働いていたんですけど、その会社をやめて一年間自由な時間をもらって、その後に稼業に戻る話をしたのを覚えています。
その一年間で、僕は世界旅行をしたり、日本縦断ヒッチハイクをしたりして、何千人に会ったかわからないくらい色々な人に出会ってきました。
世界の文化を見たり地域の良さを感じたりすると、それぞれの価値観の中で地元が好きだし、誇りに思っている。それを見て、ようやく親父のやってきたすごさがわかったんです。研究熱心だし、いち早く新しい資材導入したり、何より町のこともちゃんと考えていた。
それで、親父の事業を引き継ぐことは親孝行になるけれど、僕はどうやって親を越えようかと思った時に、親父がやっている町おこしの続きをやろうと思ったんですよね。
また、お店を作ろうとした時に、いかに父が町の人と関係性を築いてきたかを感じました。施工だったりデザインだったり、誰かがここの工事をするわけじゃないですか?
僕、そういう支出は9割、友人や地域の先輩など仲間にお願いしています。什器や下水道全て。その中で父の友人の方々が「息子がやるなら応援するよ」ということで力を貸してくれたんです。
時間がない中、下水道をすぐに通してくれたり、店内の工事もそう。親父の繋がりがあって成り立ってる。これは全部、地域経済なんだということも父から教わりました。
北川:印鑑を作る上での生産者との付き合い方とかもwinwinの関係をすごく大事にされていると感じたたんですけど、お父さんは偉大ですね。
「佐賀の暮らし観光」の求めていたものが見つかる?!
北川:僕らも、嬉野温泉街や有田という焼き物の町で色々とやっているんですけど、いわゆる地元の人をターゲットにしていなかった町です。
外から来る人をターゲットにして、ビジネスがなり立っている町なんですけど、このコロナ化で「あれ?地元の人が温泉に入ってない。湯豆腐食べてない?有田焼買ってない?町を楽しんでない?」とかそういう地元に目を向けていなかったことに問題意識があって、佐賀の暮らし観光を始めたという経緯があります。
それで、僕たちが全然知らないところに行こう!ということで、第一回目に吉野ヶ里を選んだのですが、もう答えが見つかったような気がしましたね。
佐々木:失礼な話、コンテンツないんじゃないか?くらいに思っていたんですが、まさか!こんなに理想の暮らしがあったのかと思ったくらい。
北川:この吉野ヶ里の暮らしを外から来た人が見てくれて、その後、佐賀市内に泊まるとか嬉野に泊まるとがあってもいいなと思います。
今まで佐賀県は、吉野ヶ里遺跡とかバルーンフェスタとかそういうわかりやすい箱物やイベントを観光としてきたと思うんですけど、こういった普段の人々の営みの豊かさとか心地よさとかを体験してもらうことこそが理想的な観光なような気がするんですよね。
元々、その土地の“光を観る”というのが観光の語源なので、観光客のために演出してそれにお金を払ってもらうんじゃなく、普段の福山さんたちみたいな人たちのコミュニティーの生活を見てもらうことこそが、コンテンツになるんだなと改めて感じました。
そういったものを佐賀県で探そう!ということで始めたんですけど、1回目にして探していたものが見つかった気がします。
今までの考え方だったら、ハード整備やイベントにお金をかけてたと思うんですけど、今日見せてもらった福山さんのコミュニティを通した町歩きをしただけで、もう既にまた来たくなるし、むしろ泊まりたいとか思っちゃいますよね。
佐々木:福山さんに案内してもらったおかげで、この半日間くらいこの町の住人になったような感覚になったんですよね。
福山さん:それは嬉しい!!
佐々木:喋りかけてくれるお店の人たちが、今日初めてあった感じじゃなく、接してくれたな。という感覚があって、これが、僕らが思っている暮らし観光なのかな?と体感しましたね。
北川:「佐賀の暮らし観光」を紹介する側の僕らが体感できて、本当よかったな〜
この暮らし観光という考え方は、どうですか?
福山さん:まさに、先ほど言われた“光を観る“という言葉に共感しますね。
常に、それぞれの場所に光ってあるじゃないですか?でも、普段生活していると、みんなそこに気づけてない。というかコンテンツになりうると思っていないことが多いなと感じていました。
例えば、さっきの農地の話ですけど、荒れ果てたらそこにただ農地があるという認識なんですけど、そこにマンション立てなきゃ光にならないの?ってことじゃないと思うんです。
そこを開墾してまた新たなものを生み出す土壌にするってのが農地じゃないですか?だから、僕は観光農園として人を呼べばいいし、それが駅近だったら、それを観光農園として出来上がっていく姿を電車から見てもらうことでそれがまたコンテンツにもなると思っています。
福山さん:事業の発展といっても、それぞれの人たちの生活があるから年数をかけて発展していくわけで、その姿を観ることが観光だと改めて気づかされましたね!
一回来てその町の良さ全てを体感できるかというと、その時のその瞬間は見れるけれど、その後はまだわからないわけで。それから10年後にまた来たくなる観光ができればいいですよね。吉野ヶ里遺跡に1回来て終わりって悲しいじゃないですか?吉野ヶ里遺跡の歴史と共にその町に住む人々の営みも見せれたらいいですよね。
今日まわったお店の人たちも生活があって少しづつ変わっていくわけですし、そういう普段の暮らしを見せることが観光になるという考え方は、町にとってもいいし、時代に合ってる気がしますね。
北川:佐賀県で佐賀の観光と検索して出てくる、吉野ヶ里遺跡、嬉野温泉、唐津でイカ食べてとか今まで定番とされてきたものももちろん、残して行かなきゃいけないんですけど、もっと隠された人懐っこい観光コンテンツの方がリピーターを生むと思います。
マーケットの世界でも、ターゲットというかペルソナ像のようにどんなお客さんに来てもらいたいか?と絞る思考が増えている中で、まさに福山さんに会いにいきたいとか、今日行ったお店の店員さんと話したいとかそういったものが一番強いし、人との深いつながりが観光になるんだと思いました。
今回のコロナのような有事・災害も今後なくなりはしない世の中になった時に、その時、お客さんはこなくなるかもしれないし、人の流れが止まっちゃうかもしれない。
それでも、やっぱりOK coffeeさん行って、コーヒー飲みたいよね?とか福山さんに会いたいよね!とか深い繋がりを生むのは観光的に演出したものではないと思うんです。
福山さん:そうですね。日常に触れた時に、それが気に入ってまた来てくれる。それが一番理想ですよね。
佐々木:「吉野ヶ里」といった時に、吉野ヶ里遺跡を思い浮かべるのではなく、みんな福山さんの顔を思い浮かべるようになるというね。
福山さん:それめっちゃ嬉しい。
まずは知ってもらうことが大事ではありますけど、その人が気になって会いに来るって一番いいですよね。その人は、その町にしかいないのだから。
北川:いやー。本当にね。うちの息子をここに修行させたいって思うくらい、福山さんの人柄がいい。至る所で、話しかけられてましたもんね。おじさんからおばさんから歩いてるだけで本当に色々。
佐々木:車に乗ってる人からも、窓あけて声かけられるとかね。
北川:本当。選挙活動中か?って思うくらいのレベルでしたね。僕ら、北川・佐々木に足りないのはそこですね!
根暗だからなー。暮らし観光進めることでね、僕らに足りないものを埋めていくというか曲がった性格を治療していくという意味でもいい経験でした。笑
今のところ、僕らの手本となるのは「福山徹」に決まりです。
おわりに
様々な学びとなった「佐賀暮らし観光案内所 吉野ヶ里編」。
廃れているから離れるではなく、地域の良さを見つめ、そこでで何ができるかを考え、町と共に変化していく。
もちろん新しいエッセンスを提供しながらも「この町に住みたい」「この町に訪れてよかった」と感じてもらうような場所づくり。
そこにいる人の想いと、情熱が周りの人の心を動かすのだと感じた旅だった。
今回の佐賀の暮らし観光案内所
【OK COFFEE Saga Roastery】
住所:佐賀県神埼郡吉野ヶ里町吉田273-11
時間:11:00~18:00
定休日:火曜日、水曜日
Instagram:https://www.instagram.com/okcoffee_sagaroastery/?hl=ja
text by:中村 美由希
photo by:壱岐 成太郎
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【noteと連動してPodcastでも番組を配信中!】
今回のインタビューは、こちらでもお聴きになることができます。
【聞き手】北川 健太(嬉野市/嬉野温泉旅館大村屋オーナー)、佐々木 元康(有田町/NPO法人 灯す屋代表)
【ゲスト】福山 徹(株式会社アイテク代表取締役社長、OK COFFEEオーナー)
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