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「お父さん、オモチャのお城のようなあれは何?」(ある海岸の物語)

子どもの無知の無邪気さ。大人になって思い返すと、あ~なんてことを言ったんだろうと恥ずかしくなる。そんなことって、ないですか。ええ。私はあります。

小学生の時です。
家族でドライブに行きました。運転は父、私が助手席、母と姉が後ろに乗っていたはずです。

今思い出してみるとあれは海沿いの道、秋田市方面から国道7号線を走っていたので、象潟の海にでも行ったのでしょうか。

岩城を過ぎ、

本荘に入り、

右手の海岸沿いにラーメンAji-Qを過ぎた頃です。
私は助手席でしたから、窓から、海とは反対方向の山すそを見ていました。

不意に、、、不思議な建物が現れました。

ゆるゆるとした坂道があり、登った奥には小さくて、何やらカラフルな建物がチラリと見えました。
まるでオモチャのお城、お菓子のお城のよう。
子どもの目にはそう映りました。

そして不思議な吸引力で、私を「おいでおいで」しているのでした。

私「お父さん、あれは何?」
父「……。」
私「ねーあれ何?」
父「……さぁな。」


帰り道。
辺りはすっかり暗くなっていました。

再び国道7号線を、今度は秋田市方面へ向かいます。私はソワソワしていました。そうです、昼間の建物。

来ました。
見ると、それは夜の闇の中にライトを灯していました。
赤なのか、ピンク色なのか。よく分からない灯りにポツポツ照らされて、いよいよ不思議なパワーを放っていました。

私の心は、もうほとんどあの坂道に吸い込まれそうでした。


あそこでみんな何してるんだろう。
きっと、とても楽しい所なんだろう。

「あそこに入ってみたいなー!」


誰も返事をしませんでした。

あんなに行きたかった「オモチャのお城」ですが、結局入ったことがありません。この記憶のために親の顔がチラつくから、というわけでもないですが 笑、最近通りかかったこともないのです。
当時のままの外観なのでしょうか。だとすれば、ストリートビューでもすぐに分かるはずです。

……見てみました。

わーこんな感じだったかしら!?ザ・昭和じゃないか、何年前の画像?今もこうなのか??
そしてホームページがあることに気づく。

……見てみました。

「海の見える丘の上のコテージ。お一人様やご家族連れにも」とあり、ホームページはさっぱりとしたおしゃれ感。えーまさか昔から普通のコテージだったのか!?いやいやいや、リニューアルしたのだろうか!?

何か知ってる人がいたら情報教えてください。

……やっぱり教えてくれなくていいです。


というわけで、
私の海岸の物語。
私と海岸物語、でした 笑。

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