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本を買いました(1)

『公益財団法人 日本産婦人科学会』さんが出版に関わってる訳ではなさそうです。👶

これは間違いなく、ホラー小説。

……という訳で、昨日発売された
近畿地方のある場所について』で話題となった
ホラー作家、背筋さんの新作である
穢れた聖地巡礼について』を買いました。

❶ 簡単なあらすじ

フリー編集者の小林が出版社に持ち込んだのは、心霊スポット突撃系YouTuberチャンイケこと、池田の『オカルトヤンキーch』のファンブック企画だった。
しかし、書籍化企画を通すには『オカルトヤンキーch』のチャンネル登録者数は心許ない。企画内容で勝負するべく、過去に動画で取り上げた心霊スポットの追加取材を行うことに。
池田と小林はネットなどで集めた情報をもとに、読者が喜びそうな考察をでっちあげていく――。

『KADOKAWAオフィシャルサイト』より引用

特徴的なのが主となる3人の登場人物です。

●幽霊を『信じない』人
●幽霊が『見えない』人
●幽霊の存在など『どうでもいい』人

考えや価値観の異なる3人の人物たちにより、
物事が進んでいきます。
それにより、幽霊や心霊現象に対して斜め上な
違った考え方
を知ることができるのです。

この作品を読んでいると
あぁ、なるほど。そういう考え方もあるよなぁ。」と思う箇所が何個もあります。

加えて、今回は3人の心中に秘められたドラマも魅力的です。
『近畿地方のある場所について』もそうですが、ホラーやモキュメンタリー要素を取り入れながら登場人物のドラマを胸熱(※僕なりの過剰表現)に描くのも背筋さんの作品の魅力です。
今作の『穢れた聖地巡礼について』は一層、そのドラマ部分が魅力的になっていました。


❷ 怪異

ホラー小説の肝となる怪異ですが、
今作は民間伝承や昔話
分断に取り入れていると思いました。
古典的な怪談を現代に上手く溶け込ませている
と言っても過言ではないほどに。

物語のメインとして登場する怪異は
洒落怖マニアなら「あぁ、あれね!あれ!」
と口に出したくなる、有名な『アレ』です。

ほんのちょっとですが、僕が日本妖怪の中で大好きな『べとべとさん』も登場します。

※『ナタリー』より(c)水木プロダクション

かわいい。


❸ 物語の構成

心霊スポット突撃系YouTuberである
チャンイケこと池田(先述の幽霊を信じない人)
が過去に訪れた心霊スポットの
関係者や当事者が語り手の文章(=問題提起)
       ↓
心霊スポットについてメインの3人
情報収集を行って、考察を立てる。
やりとり全てが会話文で構成されている(=考察タイム)
       ↓
考察した心霊スポットの真相(?)を綴った文章
関係者や当事者が語り手の後日談(=問題の答え合わせ)

上記のようなくだりが何度か繰り返されます。

まるで、一つの議題が提示されて
これに対してディスカッションをし、
最後に答え合わせが行われる。

その合間に休憩(?)として、
3人の生い立ちがそれぞれの視点で語られる。

人はフィクションでもそうでなくても、
今作の怪異のような理解の許容範囲を超えた
意味不明なものを連発して見続けると
脳が疲れ果ててしまいます。

この表現が正しいかどうかは分かりませんが、
怪奇現象連発で理解に疲れている最中に
生い立ち紹介という休憩を挟んでいる
ような構成に思えました。

要するに……

物語の構成が
読者を飽きさせないように作られていて
素晴らしいと思いました。


❹ 結末※⚠️ネタバレ注意?

『近畿地方のある場所について』は
ある一つの怪異が主軸となって、その弊害が
様々な所へ自然災害のよ……ゴフンッゲフッ

ネタバレをする所でした。

『穢れた聖地巡礼について』のラストも
また一味違った怖さが残りました。

今作のラストを例えるなら……
突拍子もなくいきなり崖下へ
突き落とされるような「……は?」
となる、終わり方
です。

僕が以前見ていたゆっくり系YouTuberの
KomeChinkoチャンネル』の
人気企画『ゆっくりたちの怖い話』の
怖い話にストーリーの雰囲気が似ています。
円満解決と思いきや、えぇ⁉︎みたいな。

※多分、上手く伝えられていません💦
 そもそも↑を知っている人いるかなぁ?


❺ さいごに

『穢れた聖地巡礼について』は
現実と怪異の境界線がぼやけている
ぼやけさせた
、一冊とも言えます。

一度読んでみたものの、
まだ不可解な点や見逃していた一節が
もしかしたらあるかもしれません。

とはいえ、本当に楽しませていただきました。
私が感じた今作の魅力まとめると
以下の通りです。

●考えや価値観の違う3人とそのドラマ
●民間伝承や昔話と現代怪談の融合
●飽きさせずに読者を惹き込む構成
●「え?」と言いたくなる展開とラスト

この4つ以外にも新たな魅力が
隠れているかもしれません。

ホラーや考察が好きな方は👻
是非、読んでみてはいかがでしょうか。

ここまで読んでいただき、
本当にありがとうございました。

🙇‍♂️



























               げ
     ん
                  き
 
           な

        あ      な


                  が
         う
      ま

                れ
   ま
             す

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