麻雀をしよう〜脳の活性化〜
麻雀は人生の友となった
今、麻雀はちょっとしたブームである。小学生から高齢者まで麻雀の需要は多い。
麻雀は簡単に言えば4人でやるゲームである。
昭和の時代、麻雀牌(パイ)はかなりの確率で各家庭にあり、テレビゲームがない時代の代表的なゲームであった。
麻雀を覚えたきっかけが家庭麻雀だ、という人も多いはずである。
私もその一人である。
父親はどこで覚えたか知らないが、近所のおじさん達4人が我が家に集まってジャラジャラしていたのが、麻雀との最初の出会いである。
父にとっては近所付き合いの一つだったと思う。
父の後ろで麻雀を見ていたが、ある時母と一緒に父が牌の並べ方から一連の流れとルールを教えてくれた。
小学校中学年になる当時流行っていたドンジャラを友達とやるようになった。
子ども向けの簡単な麻雀ゲームである。
中学生の頃、両親が香港旅行をしてお土産に麻雀牌を買ってきた。
父は自慢げに「象牙の牌だぞ。高い方を買ったからな」と言っていたが、母はちょっと首を傾げていた記憶がある。
私は中学生ながら、『親父、騙されて買ったな』と思った。
その牌は今でも使っているが、象牙てはないことは確かである。
その頃になると2つと4つ下の弟たちもドンジャラができるようになり、家庭麻雀の素地ができた。
高校時代、クラスメイトとは麻雀をした記憶がない。
しかし、校風が自由だったので、休講となると学校近くの喫茶店でコーヒーを飲んだりしていたが、クラスメイトは雀荘で麻雀をやっていた。
彼らが次の授業時間に遅刻して、こっぴどく怒られていたことを思い出す。
大学生になると結構校舎の近くの雀荘に行った。
大学のゼミの合宿では勉強をした後、夕食が終わるとビール片手に麻雀が始まる。
嫁さんは私の後ろで見学していたが、これが麻雀を覚えたきっかけとなった。
その頃から正月になると家庭麻雀が始まった。
父と兄弟3人、母も加わり5人で適当に席を交代しながら牌を並べた。
これが我が家の家庭麻雀の原点である。
今では父が亡くなり、母も高齢で牌は並べられない。
両親に代わって嫁さんと娘が加わり元日の夜の恒例イベントとなっている。
ちなみに息子は「親父や叔父さんたちはヘタだからやらない」と参加しない。
確かにそうなのである。
こうのように書いてくると、私も麻雀歴は長いが、ガチではやっていないので上手くはない。
友達とのコミュニケーション・ゲームの域を出ていないのである。
健康麻雀クラブ
前職を退職した後、社会教育の仕事に関わった。
公共施設の館長をしていた時、そこのサークルに健康麻雀クラブがあった。
メンバーはみんな高齢者。
しかも女性が多い。
メンバーに入りたい、という問い合わせも多かったが定員一杯で断っていた。
10台の麻雀卓はいつも満員であった。
その時、改めて麻雀の需要の多さと共に脳の活性化に役立つのでは、と思うようになった。
ちょうどその頃、親族の叔父さんがディサービスを利用するようになっていた。
家では覇気がなく、何もしなくなっていたという。
叔父さんは大の麻雀好きである。
叔父さんのために叔母さんと義妹夫婦で麻雀をやろうということになり、週末は4人で麻雀卓を囲むように努めた。
叔父さんは麻雀をやっていると生き生きとして牌を掴む。
義妹が考えていると「早く切って」と急かすくらいである。
そこで麻雀をやってくれるディサービスを探して、その施設に通うようになった。
叔父さんはみるみる活力がよみがえり、日常の表情も豊かになってきた。
麻雀は脳の活性化に役立つと実感した出来事であった。
地元での麻雀
私が全ての仕事を終えた年、地元の下馬複合施設でチェアヨガのサークルを紹介してもらい、月3回の
レッスンに参加するようになった。
私は職場がある地域では様々な関わりをもち、行事などにも参加していた。
土日でも地域行事に参加することも少なくなかった。
しかし、現在の地に住んで25年以上が経つが地元に関わることは何もしてこなかった。
機会があれば何か少しでも地域に関わりたいとは思っていた。
ある日、下馬地域包括支援センター(下馬あんしんすこやかセンター:あんすこ)の職員の方から、
「麻雀はできますか?」と尋ねられた。
「一応できますが・・・」
「よかった!麻雀をやってください。認知症のある方に麻雀をさせたいのですが、メンバーを集めなくてはできないですから。」とのことだった。
「私でよければ」と快諾した。
あんすこの職員さんは地元の麻雀クラブの代表やチェアヨガの方たちにも声をかけて、麻雀するメンバーが集まった。
麻雀卓はそのメンバーの一人が自宅にあったものを寄付してくれた。
麻雀牌は麻雀クラブで使っていない物を代表が持ってきてくれた。
こうして月2回の麻雀の活動が始まった。
地元には「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」がある。
何それ⁇
他区では聞いたことがない。
知らないだけかもしれないが、地方自治体としは珍しい条例である。
では、具体的に何をするの⁈
私の知る限りでは、まだいろいろ手探り状態である。
でも素晴らしい条例だと思っている。
認知症の概念を変える、地域の人々が自分でできることをする、その啓発的な条例だと私は勝手に解釈している。
あんすこの職員の方を通して、様々な方が麻雀をしにやってくる。
活動は始まったばかりだか、月2回の実施日を楽しみにしている人がいることは嬉しいし、将来の自分をみているようである。
これからも誰もが楽しめる場となるようメンバーみんなで協力しながらやっていきたい。
麻雀は脳の活性化に役立つ、と思う今日この頃である。
#麻雀
#家庭麻雀
#健康麻雀
#高齢福祉
#認知症
#脳の活性化
#地域包括支援センター
#世田谷区認知症とともに生きる希望条例