ノーマスク・ノーリスク
世界中でマスクの着用があたりまえになってから随分と経つ。そして最近ではもう外していこうという傾向になりつつある。
マスクはいい。衛生的だ。そして安心感がある。
なんでも、私は護られてる感のあるものが好きなのだ。(マスクに限らずタートルネック、レインブーツ、帽子などなど)
マスク必須時代になってすぐの頃は「はやくマスクなしで生活できる日が来るといいね〜」などと言っている人がわんさかいたような気がするが、最近ではそんな言葉を聞くことすら無くなった。
それどころか、「マスクなしの生活など考えられな〜い」などと言っている人を見受けられるまでになった。
嗚呼、人間っぽい。すごく人間っぽい。ぽいぽい。
今までのアタリマエがアリエナイになるのが怖いのか不安なのか、アタリマエの切り替えをするまでに時間が必要だったりする。これが人間っぽい。
そして、時間の流れとともに新たなアタリマエに順応していくところもまた人間っぽい。と感じる。
アタリマエを決めつけるのはよくない。固い。柔軟にいこうではないか。
なんでも、標準を決めつけられると息苦しくなるのだ。
マスクをつけている時なんかよりもはるかに息苦しい。
決して 自分が柔軟な人間だと自慢したいわけではないのだが、このマスク時代への切り替わりは私にとってノープロブレム・ノーサプライズであった。
面倒臭さや不快感など、一切無かった。
寧ろ
こういった時代になるうんと前からマスクを着用することが多かった私は、一日何人もの人と「風邪?」「いえ、予防です」と変に気を遣い合う会話をするという手間が省けて楽になった。
マイナスというよりも、プラマイゼロというよりも、これは完全にプラスである。
ただ、、、
この瞬間はマスク無しで頼む…!と言いたい(誰に?!)のが、初対面の瞬間だ。
マスク必須時代が始まって間もない頃、知り合いの女性が「マスクしててブサイクな人ってそうそういない。イケメンかどうかは鼻から下で決まる。」みたいなことを言っていて、たしかに!!!!となった。
私は彼女の言葉にハッとさせられたのだ。
あまりピンとこない人は是非一度意識して生活してみて欲しい。面白いから。びっくりするほどその通りだから。
言われてみれば、たしかに。
私自身も、顔の上半分と下半分であれば断然下半分にコンプレックスが集結している。
"初めて拝見するお顔がマスクを装着した状態"ということが増えた近年、無意識のうちに隠れている部分を想像してしまうようになったのは私だけだろうか。
どんな鼻かなぁ。どんな口かなぁ。どんな歯かなあ。
どんな形のパーツがどんなバランスで配置されているか、自分の中で勝手に想像する。
マスクを外し顔面全てが露わになった瞬間
おおおお! ああああ! ええええ!
自分の中で勝手に答え合わせが行われる。
そしてこの遊びにはリスクが伴う。
想像してたんとちゃうわ。(良い意味ではなく)となってしまう恐れがあるのだ。
勝手に期待されて勝手に幻滅されて…。想像される側としては全く迷惑な話である。
時に酷な結果を生む場合もあるということを忘れてはいけない。
勿論、好みか好みでは無いか、ただそれだけの話ではある。
え、じゃあ、マスクしてなくても、結局好みか好みじゃ無いかは変わらないよね、、?
結果それが初めにに判るか後で判るかの違いであって、、、
。。。
いやいやいや!そこ!そこが違うだけで後味全然違ってくるから。
やはり第一印象というのはとても大切だ、と私は思っている。
マスクを付けた状態のビジュアルから受けた印象が、マスクを外した瞬間に崩壊してなんだか少しモヤっとするだなんて、そんな切ない状況を生みたくない。切なすぎる。
もちろん逆に、マスクを外したら想像以上に印象が良い!という"みんなハッピー"なパターンも起こり得るが、人生そう簡単にはいかないものだ。
マスクの奥に寄せているその期待、要る?
ファーストコンタクトがマスク装着状態というのはやはり危険だ。
私自身が例の"マスクの奥を想像する遊び"をしている人間だからこそ、自分の顔がその題材になったときのことを考えると心がざわつく。
人からどう見えるかとか、気にしたくなくても、気になるし。
良く見られたいとか、そういう考えを捨てたくても、なかなか捨てられないでいる。
嗚呼、ちっさい。
自分のちっささを、もう一人の自分がせせら笑っている。
そういえば最近の若い子は、マスクの奥に恋心を寄せてドキドキするらしい。
そうか。私が普段無意識にやってしまう例の遊びは、今の高校生にとっては青春のトキメキなのか。
…という会話が最近知人との間で行われた。
うわーー。時代!時代だねぇ、と、イマドキの青春事情を知った千九百年代生まれのアラサーたちは古い人間感を醸し出しながら言うのだった。
そしてまたあの考えに行き着く…
その期待、要る?
その脳内の予想図に限りなく近いどストライクの顔が存在するかもしれないなどという期待。
要る?
要らないな。
要らないけどさ、マスクの奥を想像するあの遊びは楽しいんだよな。面白いんだよな。
やめられない止まらない。正にかっぱえびせん状態である。(平成丸出し)
てなわけで、こっそりあの遊びは続けながら、私自身は誰かと初めて顔を合わせるときにはちゃっかりマスクを外すようにしていこうと思う。
よっ!自分勝手!
これからはマスクでリスクを負わぬよう、心がけていきたい。
❤︎最後まで読んでくださりありがとうございます。
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