ドイツ鋼鉄奮闘記(4)
METAL ON METAL Vol.29
2005.3.25(連載第二回)
皆さん、こんにちは。3週間ほど日本に帰国していました。ドイツには一昨日(現地 3/5)戻ったのですが、パソコンの電源を入れてビックリ!!完全に壊れてる〜!!な〜ぜ〜???この3週間、全く触ってないはずなのに!😵
仕方なく原稿は手書き……。
でも、心配なのがパソコンに入っていたデータ!!ここ一年間、じっくり書き貯めてきた楽曲たち。バックアップはとってなかったんですよね。データ、全て壊れてたらどうしよう⁈ あと少しでレコーディングなので、正直めちゃくちゃ不安です。だって、レコーディングは私のデータを元に各パートをアレンジして、そこから始まるのです。つまり、私のデータが無いと何の作業もできなくなると言う……😅
ところで、話は変わりますが、コラムを書くのってこれが初めてなんです。インタビューは今まで何度もありましたけど、用意された質問に答えるだけのインタビューと違って、コラムは全く何を書くのも自分の自由。これって案外難しいんだと気付きました。
同じことは日々の生活にも言えるかもしれませんね。ロックって基本的に自由を求めて叫ぶ音楽でしょ。私も束縛されるのは大嫌い。でも、もしも実際に何もかも全ての義務やルールから解き放たれて、完全に自由になってしまったら……逃れるべき束縛がないというのも、これまた戸惑ってしまいそうですよね。
さて、前置きはこのくらいにして……。
帰国中はいろんな場所に出かけたり(あ、銭湯はほぼ毎晩・笑)、友人と食事したりして故郷を満喫しました。帰国中にはマネージャーのラーズのバンド、METALIUM の来日公演があったので、それも見に行きました。(「METALIUM って、どんなバンド?」って方の為に、YouTube から楽曲を貼り付けておきますね▼ 今は解散しちゃってますが、熱い男たちのメタル・バンドでしたよ〜!ちなみに動画の最初の女性の声は私です😊)
METALIUMのメンバー達とに出会ったのは2002年暮れ。当時、ハンブルクで右も左もわからずに、たった一人でメタルバンド探しの為にビラ配りしていた私(詳細はこちら)。そんな私のメタルへの熱い想いに感動してくれて、色々サポートしてくれたんです。彼らは欧州ではすでにビッグなバンドでしたが、でも、これまで日本でライブをしたことは無かったんです。だから、今回の日本公演の実現はとても嬉しかった。彼ら自身も凄く嬉しかったみたいです。自分たちの演奏終了後も会場で DREAM EVIL のショーを楽しんでいた彼ら。直接喋った方も結構いるんじゃないかな?
そういえば、ドイツへ戻った後、私の次回作のミーティングも兼ねて、昨日ラーズに会いました。彼にとって日本での初公演はとても刺激的かつ楽しかったようで、メールもたくさん届いたと喜んでいましたヨ!(DEEP PURPLE とか、多くの大御所のハードロック/ヘヴィメタル・バンドが LIVE IN JAPAN 盤を出してるでしょ。だから、多くの欧米ミュージシャンにとって日本公演は今も特別みたいです。)ラーズは昨年の夏に私のプロモーション来日に同行してくれていたので、今回は二度目の来日。前回よりも日本の文化や人の考え方が見えてきたらしく、欧米とは全く違う世界で興味深いと言っていました。
そうなんですよね。私も以前は日本と海外の違いなんて大したことないと思っていましたが、実際に生活してみると予想以上に大きな違いを感じます。でも、他国の習慣を自国の物差しで眺めてしまうと、理解できずに批判したくなったり、逆に他国の良い面ばかりを見て自国の諸々を否定してしまったり……それは自然なことかもしれないけど、しばらくすると、どの国にも独自の自然や文化、歴史、気質があるんだ、どっちが優れてる訳でもないんだって気づくんです。
私、以前は、日本人ももっとヨーロッパの人達のようにのんびり生活したらいいのに……ってずっと思ってたんです。でも、実際にドイツで生活してみると、日本ではあり得ないような悪いサービスばかりで、日本が懐かしくなってきます。日本では“当たり前”に思えたことも、実は“当たり前”なんかじゃなかったんだって。例えば、電車一つとっても日本は完璧に時間通り来るけど、世界的に見るとあの正確さは驚異的。それから、ドイツでは、店員さんがお客を待たせても、更には、ミスをしても知らんぷりなんて事はザラ。その度に強く抗議しないといけないのでストレスがたまって、とても疲れます(抗議後、「それは私たちのミスじゃ無い。あなたが悪い」と言われることもあり、どっちの責任かについて大討論会が始まる事もあります。なんでやねん!😠)。日本ならこちらが何も強く抗議しなくても、ミスがあったと伝えるだけですぐに謝ってくれるのに!
考えてみると、結局それは日本では各自が自分の仕事にプライドを持って一生懸命だからかなって気がしました。で、完璧に働こうとして、そのストレスで疲れ果ててしまう面はあるけれど、プライド持って働くこと自体は素晴らしいじゃないかって思うようになりました。
ドイツ流がいいのか、日本流がいいのか、良い面と悪い面が表裏一体で、私には分かりません。でも、今はせっかくドイツにいるのだし、日本の良かった点ばかり懐かしんでホームシックになってても仕方ない。ドイツ流の生活の中に、"ドイツならではの美しさ"を見つけて生活すべきかなと思います。
さぁ、ハンブルグに戻ったし、よお〜っし、曲作りに燃えるぞ!!
あ、でもまずはパソコンを修理しなければ……(汗)。どうも私のパソコン君はこの寒いドイツが苦手なようです。
真田:遂に始まりました SAEKO さんのコラム!ドイツに戻るなりトラブル発生と聞き焦りましたが、FAXにて無事対処してくれました。いや〜、しかし、ドイツからFAXが届くのを見て、何気に感動しました。次号もお楽しみに!
おまけ
今になってみると、当時、もう少し"私抜きで"ハンブルクの街並みの写真を撮っておけばよかったな〜って後悔。自分自身がアーティストやったせいもあって、どれもこれも私が写真に入ってしまってるのです。今手元に残ってるのって、これくらいなんですけど、あかん、ドイツ感ゼロやな😅▼