「思い切り野球を楽しもうぜ!」というメッセージーー書籍の仕事まとめ#3 飯塚智広さん著『やってみよう 野球』
野球を始めるハードルは高い?
著者の飯塚さんは、取材の最初にこうおっしゃいました。
「子どもに教えるのは、大人に教えるよりも難しいと思うんですよ。小学生は、勝ち負けというより、成功も失敗も含めた体験から、一つずつ積み上げていく段階です。
結果にこだわるのではなく、『なぜそうなったのか?」というところに向き合っていく、その積み重ねだと思いますね」
本書には、この考えが反映されています。
ですので、フォームや技術など「形」から入るのではなく、「思い切り打ってみよう!」「思い切り投げてみよう!」というところから入っています。
遊び感覚でできる練習方法がたくさん紹介されているので、飽きずに練習を続けられます。
結果なんか気にしなくていいんだよ。思い切り野球を楽しもうぜ!
そんな飯塚さんのメッセージと野球への愛情を、ところどころから感じていただけると思います。
トップレベルの技術をシンプルに伝える
実は、本書ではトップレベルの選手に通じる技術や理論も語られています。たとえば高校球児がこの本を読んだら、「あ、こうすればよかったのか!」というようなヒントがたくさんあるんじゃないかと思います。
そんな内容でも、飯塚さんは実にシンプルに、野球を始めたばかりの小学生がわかるように教えてくださっています。
そこが飯塚さんのすごいところ! ホントにいろいろな引き出しを持っておられる方です。
「楽しい!」が一番
練習方法の撮影では、東京都目黒区の東山エイターズのみなさんに協力していただきました。
飯塚さんが実際に指導しながら、フォームや練習方法を撮影したのですが、子どもたちは終始笑顔で、野球を楽しんでいました。
そんな様子を見ていて、僕は「野球って、こうやって楽しむもんだよな」と、しみじみと感じました。
小学生のうちは、勝ち負けはどうでもいい。どれだけ野球を楽しんで、野球を好きになるか。飯塚さんのように、子どもを笑顔にするのが指導者の役割だと思います。
野球を始めたばかりの小学生や、保護者のみなさん、指導者の方々に、ぜひこの本を読んでいただきたいと思います。
「野球って楽しいな!」
そんな経験をたくさん積んで、楽しみながらうまくなっていってほしいーー。それが著者の飯塚さんの願いです。