佐伯 要(スポーツライター)

スポーツライター。「取材の量と原稿の質は比例する」がモットー。 野球のノンフィクションを執筆しているほか、野球関係の書籍(指導論や技術書など)の取材・構成も担当しています。 2022年7月、『1980年早実 大ちゃんフィーバーの真実』(ベースボール・マガジン社)を上梓しました。

佐伯 要(スポーツライター)

スポーツライター。「取材の量と原稿の質は比例する」がモットー。 野球のノンフィクションを執筆しているほか、野球関係の書籍(指導論や技術書など)の取材・構成も担当しています。 2022年7月、『1980年早実 大ちゃんフィーバーの真実』(ベースボール・マガジン社)を上梓しました。

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「自分を知ってもらうには、自分がやってきたことを示せ」ーースポーツライター・佐伯 要 書籍の仕事まとめ(2024年8月現在)   

「人に恵まれているなぁ」 自分の実績を俯瞰して、あらためてそう思います。 本をつくる仕事は、チームプレーです。 著者の方々はもちろんのこと、取材させてくださった方々、編集者さん、私を紹介してくださった方、いっしょに本をつくってくださったカメラマンさん、デザイナーさん、校正担当さん……。そして、読者のみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。 <2024年>『野球IQを磨け! 勝利に近づく‟観察眼“』  飯塚智広さん著 ベースボール・マガジン社 <この本に関する記事> 『シン

    • 劣勢こそ問われる言葉のチカラ スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#10

      😡「あと3イニングしかないんだぞ! なんとかしろ!」 6回を終わって、2対5と3点のビハインド。 7回表の攻撃に入るとき、ベンチで監督が怒鳴っています。 選手たちを鼓舞したい気持ちはわかりますが、監督自身のイラ立ちをぶつけているようにも見受けられます。 この暴言は、こんなふうにポジティブに変換しましょう。 😀「あと3イニングあるよ。1点ずつ返そう。焦らず、まず塁に出ることを考えよう」 【言葉を扱うライターとしての視点】 6回を終わって、3点ビハインド。現状を打開し

      • 言葉が選手の動きを変える スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#9

        😡「お前は本当に使えないな!」 2点を追う3回の攻撃。先頭打者がストレートの四球で出塁して、無死一塁に。 監督は初球にストライクを取りに来るのを狙って、エンドランのサインを出しました。 しかし、打者は高めの球に内野フライを打ち上げてしまった。そこで、監督が思わずこう怒鳴ってしまいました。 この暴言は、こんなふうにポジティブに変換しましょう。 😀「大丈夫! ミスをすることはあるよ。この経験を活かして、フリーバッティングで高めの球でも確実にゴロを打つ練習をしよう。君がチ

        • 言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#8

          😡「お前が大谷翔平のマネをしたって、ダメに決まってるだろ!」 この暴言は、こんなふうにポジティブに変換しましょう。 😀「一流の選手から学ぶのは大事だよ。でも、君には君に合ったやりかたがあるのも忘れないで!」 【言葉を扱うライターとしての視点】 現場で取材していると、選手は指導者の言葉の裏を読めなくなっているのを感じます。 指導者が感情的に怒鳴る。選手は「何を言っているのかわからない」という戸惑いを見せるーーそんなシーンを見かけます。 大谷翔平選手のマネをして、うま

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          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#7

          😡「同じ失敗ばかりしやがって! 何回やったら気がすむんだ!」 これは指導じゃなくて、ただのイラ立ちです。 この暴言をポジティブに変換して、〝励まし〟にすると? 😊「同じことをしたら、同じ結果にしかならないよ。失敗から学んで、次はどうすればいいか、考えてみよう!」 野球は「失敗のスポーツ」と言われるほど、ミスをするのは当たり前。 そこから学んで、うまくなっていけばいい。 成功はもちろん、失敗も成長のチャンスです。

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#7

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#6

          指導者の暴言。 野球経験者なら、耳にしたことがある人が多いのではないでしょうか。 僕も、試合会場で聞いたことがあります。 どっちのコーチがいいですか? BADコーチ 「どうして教えたとおりにやらないんだ!  」 GOODコーチ 「自分のやりかたにこだわらずに、ほかのやりかたも取り入れてみたら? 合わなかったら、やめればいいんだよ」

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#6

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#5

          BADコーチの暴言 「お前みたいなへたくそは、やめたほうがいいんじゃないか?」 この暴言をポジティブに変換すると…… GOODコーチの励まし 「大谷翔平選手だって、最初からうまかったわけじゃない。くじけずに続けたから、うまくなったんだよ」

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#5

          29冊の仕事から見えたもの③ライターに必要なのは「訊く力」 

          29冊の仕事を通して、気づいた。 AI時代を生き抜くライターに必要なのは、『訊く力』だ。 当たり前、何をいまさら……って感じだけど、AI時代になって重要さがさらに増したと思う。 著者が話してくれたことをまとめるのは、AIにもできる。 試しに、自分が書いたものが掲載された雑誌が出版されたあとに、AIに文章化させたことがある。 そこそこまとまった原稿が、ものの1分でできあがった。 そのとき、ライターの仕事は「書く」ことではなく「訊く」ことになる、と悟った。 ライター

          29冊の仕事から見えたもの③ライターに必要なのは「訊く力」 

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#4

          😡BADコーチの暴言 「何回言わせるんだよ! いつになったら、できるようになるんだ?」  🙂GOODコーチの励まし 「『わかる』と『できる』は別だよ。できるようになるまで、いっしょに練習しよう!」

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#4

          29冊の仕事から見えたもの②仕事は次の仕事へのオーディションだ!

          自分が携わった29冊の書籍を過去にさかのぼって、最初の1冊にたどりついたとき、 「駆け出しのライターに1冊の本を任せてくれたのは、かなりのリスクだったんだな」 とあらためて感じた。 そのことは、以下のnoteに書いたとおりだ。 幸いなことに、その1冊めから、途切れずに仕事の依頼をいただいている。 自分で言うのは自慢みたいだけど、それは「1冊めの仕事で力を試されて、合格点をもらった」ということじゃないかと思う。 そうじゃなければ、僕に仕事を頼まない。ほかにライターは

          29冊の仕事から見えたもの②仕事は次の仕事へのオーディションだ!

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#3

          ✖BADコーチの暴言 「またエラーしやがって! お前はホントにヘタクソだな!」 〇GOODコーチの励まし 「エラーは誰にでもあるよ。練習したら、もっとうまくなれるよ!」

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#3

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#2

          ✖お前は本当に気が弱いな! だから何やってもダメなんだ! →勇気を出して挑戦したら、きっとできるよ!

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#2

          29冊の仕事から見えたもの①駆け出しライターへの温情

          2024年8月末に、このnoteを書いた。 ライターとして独立してから出版に携わった書籍が、29冊。 仕事をした当時を思い出しながら振り返ってみた。 最近のものから、過去へさかのぼる順番で。 なぜか、「1冊めの仕事から現在に向かって」ではなかった。 あとになって考えれば、過去へさかのぼって正解だったんだけど。 最初の1冊までさかのぼって、わかったこと 途中までは、 「29冊も積み重ねてきたんだな。オレもコツコツやってきたもんだ」 なんて、得意げに思っていた。

          29冊の仕事から見えたもの①駆け出しライターへの温情

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#1

          ✖なんでエラーするんだ、へたくそ! やる気あるのか! →エラーは残念だけど、まだ次があるよ。前を向いて、次のプレーの準備をしよう!

          言葉の力で選手を救おう!スポーツライター的・暴言のポジティブ変換術#1

          元プロの名将は学生に何を伝えたか?  書籍の仕事まとめ#29 古葉竹識さん著『耐えて勝つシンキング・ベースボール』

          プロの監督が大学の監督に就任 古葉竹識監督は、広島カープをリーグ優勝4回、日本一3回に導きました。 そんなプロの名将が、東京国際大の監督に就任したのが、2008年。 4年目の2011年春には、創部47年目にして東京新大学リーグで初の優勝に導くと、全日本大学選手権で4強入りを果たしました。 東京新大学リーグといえば、創価大と流通経済大の2強が君臨するリーグ。 元プロの指導者が監督になったからといって、その壁を破るのは容易ではありません。 名将はいかにしてチームを強く

          元プロの名将は学生に何を伝えたか?  書籍の仕事まとめ#29 古葉竹識さん著『耐えて勝つシンキング・ベースボール』

          「どうせ無理」を覆せ! 元プロの教諭・伊達昌司先生が伝えたい思い  佐伯要著 短編「やれば、できるよ―元プロ野球選手 都立江戸川・伊達昌司コーチの人生哲学」

          元プロが高校野球の監督になるには? 現在では、プロ出身の高校野球の監督は珍しくなくなりました。 プロ出身者が高校野球の指導者になる条件をご存知でしょうか? 2013年に制度が変更になり、学生野球資格回復制度の研修会を受講すれば必要な資格を回復することができるようになりました。 それまでは、どうだったのか? 1997年以降は教諭として通算2年以上の在職が条件でした。 この条件が、2011年に「常勤の臨時講師としての期間も含めて2年」に緩和されました。 新条件の適用

          「どうせ無理」を覆せ! 元プロの教諭・伊達昌司先生が伝えたい思い  佐伯要著 短編「やれば、できるよ―元プロ野球選手 都立江戸川・伊達昌司コーチの人生哲学」