揺らぎの季節のあなたに贈る処方箋
本格的に寒くなってきた。
わたしは夏にテンションが上がり、冬にテンションが下がるわかりやすい夏女なので、寒くなってくると自然に気分が落ちてゆく。特にこの今の時期、移り変わる季節を感じながら日々を送るのは、意識的に気がついていなくても、どこか負担がかかっていたりする。
季節の移り変わりに調子を崩す人は少なくないので、似たような感覚を持つ方もいらっしゃるんじゃないかなぁ。
それでも、季節が変わっていくことを止めることはできないので、自分で自分を上手いことコントロールして、気分良く過ごしていたいところ・・・。
やっぱり一番大事なのは、心がほっこりとあたたかく、満たされていること。こういうのは大切なひとやそばにいる人と心を寄り添い、支えあいながら乗り越えられたらいいものの、そんな優しい環境にいる人ばかりではないし、わがままを言えない人もいる。
とすると、頼るのは、そう、芸術の力なのであーる!!!
わたしが過去に、心が渇いて仕方がないときに、ほっこりとあたたかい気持ちになれたものを2つ紹介しますね。何かのお役にたてば・・・と。
まずは、音楽。
平原綾香さんの「おひさま~大切なあなたへ」です。有名なのでご存知の方も多いと思うのですが、改めて聴くと本当に素晴らしいんです・・・。
この曲、とてもラッキーなことに、生で聴いたことがあって、それがこの曲と出会った初めての瞬間でした。そしてそれが、わたしが初めて音楽を聴いて涙を流した瞬間でもありました。まだ学生だった頃。
イントロが流れた瞬間から、ぶわぁって身体が包まれる感覚があって、平原綾香さんの歌声が聴こえた瞬間から、訳も分からないくらい涙が自然に溢れてきたのです。とにかく惹きこまれて、平原さんが紡ぎ出す言葉たちが本当に感動的で素晴らしくて、聴き終わってもしばらく呆然としていたことを覚えています。それくらい、私にとっては忘れられない曲。
毎日聴くような曲ではないけれど、心の何処かに「この曲があるよ」とストックしておきたいような、そんな曲。歌詞が本当に素晴らしくて、「このままでいい、そのままが素晴らしい、生きているだけで愛している」と、ふわっと肯定してくれるような曲なので、弱っているときは特におすすめしたいです。
↓このMV、歌詞も入っているので是非目で追いながらどうぞ。あまりの素敵な歌詞に、言葉の美しさを改めて感じさせられます。
続いて、映画。
「泣ける映画」はたっくさんあるのですが、心があたたかくなる映画を選びたくて、これにしました。
「アデライン、100年目の恋」。
ある事故をきっかけに年を取らなくなってしまった29歳の女性の物語。そもそもファンタジー要素が強いし、うーんただのファンシーな物語かしら、と思いながら観たけれど、見事に裏切られました。
このまま若くいたい、20代が華だ、とかって、何も考えずにただただ年老いることを怖がっていた自分には、「年をとること」「老いること」という大きなテーマを突きつけられて、そしてそれがとても素敵なことなんだ、と初めて思えた作品。
年をとることって素敵なことだ、老いることが「できる」というのは、素晴らしいことだ、と心から思えて、それから年を取ることに抵抗感がなくなりました。人間が、その人なりの歴史を経ながら、自然に任せて時を重ねること。その美しさや貴重さを実感すると、心があたたかく、そして晴れやかな気持ちになれます。
あまりネタバレをしたくないけれど、終盤の方にあるシーンがとても好きなんです。主人公の女性が、鏡を見て、あることを発見するの。そのシーンを見たとき、じんわりと、そして確かな感覚で「年を取るって、素敵だ」と思ったことを覚えています。
ちょっとシックな雰囲気で、トーンも冬にぴったりな映画だと思うので、ぜひに。一人でももちろん良いし(私は一人で観ました!)、普遍的なテーマなので、家族やパートナーとみるのもすごくおすすめできます。
心穏やかな冬を、過ごしましょう〜。
Sae