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読みあいっこモンスター、集めっこモンスターデザイナーズノート

読みあいっこモンスター、集めっこモンスターは、15分で遊べる2人対戦のドラフトカードゲームです。同じルールで2つのゲームが楽しめます。
そんなゲームを僕がどんな気持ちで作ったのかを書き残しておきます。

といっても、ゲームデザイナーはAkogareくんととーしんくんの2人なのですけれども。そのあたりのことについても書いておきたいと思います。

コンセプトを考える

これまで4作品作ってきましたが、タイトルを増やさないとどうにも駄目だと感じていました。そこで、自分だけじゃなくて他の人にも作ってもらうことで発売するタイトル数を増やしたいと思っていました。他の人が作ったものをリメイクするのもよいなと思っていましたが、そちらは究極のカップ麺でやりました。(もちろん今後も続けていきたいと思っていました。)

なので、次は、他の人に作ってもらうことです。そこでピンと来たのがとあるデジタルカードゲームを一緒に作ったことがあるメンバーです。それがAkogareくんととーしんくんです。2人は当時フリーランスだったので声をかけやすかったのもあります。2人で2人対戦のゲームを作ってもらったらどうだろうと思い、早速声を掛けました。

トレカ風の対戦ゲームってわりと上振れしやすい傾向にあるなーと感じていました。ドミニオンはその最たるものですし、国産でもふるよにやドミナさんのゲームとかありますよね。国産はかわいい女の子が特徴的なので、このゲームもかわいい女の子のイラストで世界観とかもしっかり入れたらいいかなーとか妄想していました。

最初はダイスでデッキを組むような新しい対戦ゲームとかどうかなーと思っていましたが、2人と話していくと、ハースストーンのバトルグラウンドやオートチェスって面白いから、あれをアナログでやったらどうでしょう?という提案を受けました。面白そうだったので、じゃあそれでとお願いしました。

Akogareくんも元プロプレイヤーだし、とーしんくんはポケカの世界チャンピオン。でも、2人ともマニアックになりすぎないバランス感覚を持っています。しかも、デッキビルダーなのでさぞかし面白いゲームができるだろうと期待していました。

ここで1つ「デッキビルダー」とはどういう意味かを書いておきましょう。トレーディングカードゲームをプレイする人たちの多くは誰かが作ったデッキを模倣して戦います。そこにちょっとした自分のアレンジを加えたり加えなかったりして戦うのです。もちろん自分で1から組む人もたくさんいますが、それでしっかりと戦える強いデッキを作れる人は実はごくごく少数です。そんな貴重なデッキビルダーが2人もいる!期待しないわけにはいきません。

また、この時に自分に心がけていたことがあります。僕の年の半分くらいの年齢の子たちです。できるだけ彼らに自由に作ってもらえるように心がけました。全体の方針はざっくり出しますが、彼らの提案をできるだけ採用し、僕はテストプレイでの素直な意見は述べるがそれがいいか悪いかは彼らに判断してもらうように努めました。そうでないと彼らに作ってもらう意味がないなと思っていたからです。(彼らもそう受け止めてくれてたらいいけど…)

ゲームシステムを考えてもらう

さて、あとは彼らが作ってくるのを待つばかりです。最初に出来上がってきたゲームを見たのは2019年の11月とか12月だったと思います。当時の時点でお金で交互にモンスターを買って、戦うというベースはすでにできていました。

製品版と大きく違うのは以下の3点ぐらいです。
・場に手札として持っているすべてのカードを置いていた。
 →ゲームが進むと場があふれかえってしまいました。
  5枚に制限することで、購入のデッキビルドと配置のデッキビルドの2回が楽しめるようになりました。
・最初は1金で、最初から持っているカードはありませんでした。
 2金にし、最初から2枚のカードを持たせることで、1ターン目から駆け引きが楽しめるようになりました。
・ライフ制
 10点のライフがあり、相手の生き残ったカード枚数分ダメージを受ける仕様でしたが、3回勝ったら終わりというシンプルなルールになったことでわかりやすくスッキリしました。

最初からよい感触のものができたので、1つオーダーを加えました。同じルールでもう1セット作ってほしい。今できているものが読みあいをベースに作っているものなので、新しいものは、もっとコンボが重視されるものにしたいと。

それぞれ「マインド」と「コンボ」と呼ばれ、同時進行で進めていましたが、「コンボ」はかなり難航しました。「マインド」をベースに作り、そのルールに合わせて「コンボ」をつくるというような状況だったために、大きなルール変更が加わるたびに「コンボ」を変更しなければいけませんでした。また、「コンボ」は様々な案がありどれにするか試作を繰り返しました。「毒マーカー」を使った毒デッキ、「コインの購入」に重きを置いたデッキ、などなどいろいろあって最終的には「種族」デッキを作ることになりました。このゲームの評判が良ければ毒デッキやコインデッキが日の目を見ることもあるかもしれません。

実は、このころタイトルは「ヘゲモニア ドラフト デュエル」って名前にしてヘゲモニア戦記のスピンオフ的な感じにしようかなーって考えていました。

バランスを調整してもらう

バランス調整にはかなり手を加えました。タイミングやほかのカードの組み合わせによって非常にわかりにくい処理になる部分や、ちょっとしたところでプレイ感が大きく損なわれるところもあり、その調整にはかなり時間を掛けました。結局ほぼそこの調整で丸1年かかっていました。

開発をスタートしたあとにコロナがやってきてテストプレイがしにくくなりました。そこでBGEngineというサービスを使ってテストプレイをしていくことにしました。なかなかサクッと作れていいサービスだったのでリモートでのプレイもはかどり、何とか調整できました。

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↑ オンラインテストプレイの様子。
  開発しているころからこのイラストを使わせていただいていました。

ルールライティングとグラフィックデザインをする

ほぼほぼゲームができてきたころ、大きな転機が訪れます。それは僕のスタジオムンディからの離脱です。そうすると、僕が継続してこのゲームを開発してリリースすることが難しくなります。このままでは、このゲームがリリースできなくなってしまう。それは2人に申し訳ない。せっかく作ったゲームが世に出ないのはとても嫌だったので、会社といろんな話をした結果、同人として発売してよいということになりました。その判断をしてくれたスタジオムンディにはとても感謝しています。

さて、タイトルをどうしよう?「ヘゲモニア」という単語は使えないので新しいタイトルを考える必要がありました。デュエルやバトルみたいなカードゲーマーに刺さりそうなのがいいかなーと思っていたところ、「読みあいっこモンスターバトル」というタイトル案が出てきました。正直僕にはピンとこなかったけど、2人のゲームですし、若い2人の感性のほうが正しかろうとその案で行くことになりました。また、最終的にはバトルがなくなって「読みあいっこモンスター」「集めっこモンスター」となりました。シリーズ名どうするのかと思いましたが、まあ別にいらないのではとのことだったのでシリーズ名はありません。しいて言えば「っこモンスター」シリーズでしょうかw。それはそれで面白いかも?

あとは、グラフィックデザインとイラストです。グラフィックデザインはつたないながらも自分でやることにしました。しかし、イラストは問題です。いろいろと手段を考えましたが結局はテストの時から使用させていただいていた「Rド」というサイトのイラストを使わせていただくことにしました。管理人さんも快くOKくださいました。かわいくクオリティの高いファンタジー系のドット絵が大量にあってすごいです。みなさんも使ってみては?
こちらからどうぞ。 http://rpgdot3319.g1.xrea.com/

グラフィックデザインをするのは、久しぶりです。コツコツと作ってなんとかそれっぽいものになったのではないかなと思っています。

ルールブックもこれまでに培った力を総動員していますし、カードのテキストもできるだけわかりやすくなるように調整しました。彼らが手掛けた面白いゲームを最大限伝えられるように頑張りましたので、その点はご安心いただければと思います。

発売する

コロナもあるし、同人だし、どのくらい売れるかわかりませんが、完売できたらいいなぁと思いつつ、発売できることを心待ちにしています。

わりとテキストの多いゲームですし、人を選ぶゲームではあると思います。どちらかというと、「読みあいっこモンスター」が入門編です。度のモンスターをどの順番で置くのか?という読みあいを重視したものになっていますので、カジュアルゲームが好きな方にも楽しんでもらえるんじゃないかと思います。「集めっこモンスター」はコンボを重視したセットで、ちょっとだけ複雑です。こちらは特にトレカが好きな人は面白いと思ってもらえると思います。

振り返ると、Akogareくんもとーしんくんもゲームを作るという上では僕よりもセンスがあるなぁと感じています。複雑なカードゲームのプロトタイプをすぐに作ってくるのです。しかも、最初からそれなりに面白い。なかなかそうはいきません。この2人がもっと面白いゲームをつくってくれるといいなぁとおじさんは思ってしまいます。

そのためにも、皆さん「読みあいっこモンスター」と「集めっこモンスター」を、どうぞよろしくお願いいたします。

詳細は こちら からどうぞ
ルールブックの閲覧やゲムマでの取り置き予約が可能です。

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