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#108 サピエンス全史 途中レポート
Audibleで「サピエンス全史」を聞いている。中身が深く、非常に面白い。
越川慎司さんのVoicy放送で紹介されていたのがきっかけだ。紙の本はめちゃくちゃ分厚いらしい。Audibleでも上下巻それぞれ11時間以上かかるので、ボリュームの多さが伺える。
本日は、途中まで聞いた書籍のアウトプットをしようと思う。上巻2章まで聴了した。
ホモ・サピエンスと他の動物との違い
本書籍では、現生人類を「ホモ・サピエンス」と表現している。分類学的には、ホモ・サピエンス以外のホモ属(例えばホモ・エレクトスなど)も「人類」にあたるため、そのような使い分けをしている。
サピエンスが他の動物と何が違うのか、と問われたら、大抵次のようなことを挙げると思う。
言葉を話す
二足歩行をする
火を使う
子どもが未熟で産まれる
どれも正しい。
本書籍で特に語られていたのが、「言葉を話す」という点だ。
サピエンスが反映するのに3つの革命があったとされている。「認知革命」「農業革命」「科学革命」この3つだ。
そのうち、認知革命は約7万年前に起こったという。
集団生活のための情報授受
「認知革命」のきっかけは、集団生活のための情報授受だとしている。
サピエンスは、およそ次のような進化を遂げ、今の姿になった。
二足歩行で手が使えるようになる
脳が大きくなる
女性の出産時に産道が狭まり、子どもは脳が大きくなるので、出産が大変になる
ゆえに、集団で子どもを産み、育てるようになる
この進化発達の過程で、サピエンスにとって集団生活は欠かせないものになった。集団生活にあたっては、集団を維持することと、個々が生き抜くことが必要になる。そのとき、より複雑な言語が必要になったという。
サピエンス以外の動物でも、言葉を発する動物は数多存在する。大抵の動物の言葉の目的は、獲物を獲ることや敵の存在を知らせる上でのコミュニケーションである。その点ではサピエンスも他の動物も同じである。
サピエンスは、集団の中での位置を把握し、行動を選択するために、莫大な情報量の処理が必要になった。
例えば、「ライオンを見つけた」という情報。他の動物なら、見えたときに言葉を発し、周囲に警戒を伝える。サピエンスも同じだが、次のようにより複雑で具体的な情報伝達が可能になった。
「今朝、川の側でライオンを見つけた。ここからの距離は〇〇。水を飲んだあとは反対の方向に去っていった。」といった具合だ。
そして、このような言葉の発達の中で、他の動物とサピエンスとを決定的に違う存在にしたことがある。それは、サピエンスの言葉には、「見えないもの」の言葉があることだという。
例えば、神話や崇拝。現生の会社といった概念もその延長である。実態は目に見えないが、存在を認識したり、共有することができる。
虚構が集団を作る
本書籍では、「見えないもの」を虚構と表現している。サピエンスは、この虚構を認識し、共有することで、さらに大きな集団で協力することを手に入れた。
初めは10数人のグループが、いつしか数100人の村を作り、さらには社会構造を作るに至る。そして、その中で適応し、生活することができる。
それには、「虚構」が必要だ。同一の神を信じたり、一つの経営理念に集まったり。目で見える情報処理だけでは、その規模の人数を集散させ、文化を作り上げることは不可能だ。故に、「見えないもの」を言葉にできたことが、サピエンスの発展に大きな影響を与えたという。
情報収集・処理は現代にも通用する
サピエンスは言葉の発達により、莫大な情報処理を可能とした。それは、集団で個々が生き抜き、或いは集団そのものが維持されるためである。これは、狩猟民族であった数万年前でも、科学技術が発展した現代でも同じことだ。
多くの情報に触れ、判断し、自ら行動を選択する。先史時代を生き抜くための能力は、現代を生きる私たちにも同じように求められていることが、深く心に刻まれた。
その他、興味深かった内容
ここまでは言葉の発達について主として伝えたが、それ以外にも興味深い内容があったので、いくつか紹介する。
高カロリーの食べ物を大量に食す
健康面で言えばマイナスの側面がある。肥満や糖尿病など、健康を害する面だ。でも、現代人はそらをやめない。これは遺伝子に刻まれた生き抜くための本能の名残だという。
狩猟民族であった過去、高カロリーな食べ物はほとんど存在しなかった。アイスやポテトチップスなどは無い。熟れた果物くらいしかない。それを森で見つけたら、ほかの動物に食べられる前にたらふく食べるのだ。今食べないと、今度はない。ほかの動物に食べられてしまう。
これが、現代にも受け継がれている。現代は、冷蔵庫があり、コンビニがあり、大抵は好きな時にアイスを食せるが、「今食べなければ」という本能が、高カロリーなものを大量に食す行動につながっているようだ。中々、合点がいく内容だった。
火を使うメリット
他の動物との違いの一つだ。動物を近づけないことも可能になったが、一番のメリットは調理が可能になったことだ。調理により、食べ物を食べやすく、消化しやすくできた。
これにより、食事に要する時間を短く、より省エネにできたのだ。消化が良くなれば腸も短くて済む。消化行為の消費エネルギーを抑え、脳に回すことができる。
また、殺菌できる点も無視できない。感染症や中毒を防ぎ、食べるものの選択肢を広げることにもつながった。
さらには、サピエンスの個体能力を超える力を発揮できた。動物の世界では、個の力≒体の大きさだ。サピエンスはそこまで大きくはない。しかし、火が使えることで、数時間で森を焼き払うことができる。動物が焼かれていれば食べることができる。
火の使用が、個体能力を遥かに超えた力を発揮させる。これも合点がいく内容だった。
おわりに
長々と記載していたが、聞いた内容は全体の4分の1程度である。中々面白い内容の書籍なので、気になったら聞いてみてほしい。もちろん、辞書のように分厚そうな紙の書籍でも。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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