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#7 仕事の早さ・量・質の議論 〜自分の言葉にしてみると〜

仕事の早さ・量・質の問題は、あらゆるビジネス書籍やチャンネルで幾度となく議論されています。ある人はスピードがすべてと言い、ある人は質より量と言い、またある人は量より質と言っています。何となく言いたいことはわかりますが、結局どれが正解なのでしょうか?

さまざまな議論が飛び交う中、「実は人によってそれぞれの定義が違うのではないか」とふと思いました。

今日は、私が読んだ書籍や経験を踏まえて、自分の言葉で少し噛み砕いて再定義してみようと思います。最後までお付き合いください。


仕事の「早さ」とは

仕事の「早さ」とは何でしょうか。思いつく限りでいくつか挙げてみました。

  1. 取り掛かりの早さ(動き出しが早いこと)

  2. レスポンスの早さ(相手の手を止めないこと)

  3. 情報共有の早さ(情報を止めないこと)

  4. 人にお願いする早さ(仕事を止めないこと)

  5. 単純作業の早さ(事務処理が早いこと)

  6. 判断が早いこと(意思決定が早いこと)

  7. 成果を出すまでの早さ(ゴールまでが早いこと)

細かく見ればほかにもいろいろありますが、ひとまずこの辺にしておきます。俯瞰してみると、自分自身が早く動くことと、他人や情報を早く動かすことがあります。また、1から6までの早さは、最終的に7の成果を出すまでに必要な早さとも考えられます。

よって、仕事の「早さ」とは、

成果を出すまでの早さ

と言えるでしょう。そして、この早さを生み出すのは、自分の手や人、情報を動かす早さになります。

仕事の「量」とは

次に、仕事の「量」とは何でしょうか。皆さんはどんなことをイメージしますか。私が考えているのは、例えば次のようなことです。

  1. 関わるプロジェクトが多い(機会や経験が多い)

  2. 作業量が多い

機会や経験なのか、作業量そのものなのか、定義が曖昧です。量より質、質より量の議論が生まれるのは、仕事の量の認識が人それぞれで違うからではないかと考えています。私の認識では、それぞれの主張は次のように整理できます。

質より量 → 量=機会・経験
量より質 → 量=作業量

質より量の「量」とは、とにかく行動量を増やして誰よりも多く場数を踏み、それによって得られたことを自分の血肉に変えていくことを指しています。この経験の量が、いずれ成果を生み出す力を醸成すると受け取っています。

一方で、量より質の「量」とは、たくさん資料を作るといった作業量を指していることが多いです。これは、仕事の量というよりも無駄な努力の例示に近いです。

では、作業量が多いことは悪いのでしょうか。私は、作業量が成果につながっているかどうかが判断のポイントだと考えています。

例えば、会議の資料。主張や根拠を示すとともにデータの補足や多視点での分析を加え、最終的に資料が10枚になったとします。これらの資料が、会議の目的に対して必要なものであり、意思決定の判断材料になり得るのであれば、成果につながるものと言えるでしょう。
一方で、作ったけれど使わなかった、書いたけれど読まれなかった資料は、成果につながらなかったものになります。これらは結果的には無駄な作業になります。内省して、減らしていかねばなりません。

これらを踏まえて、仕事の「量」とは、

成果を生み出す行動量

と定義します。
これは、自らの力を醸成する経験の量であり、成果につながる作業の量でもあります。

仕事の「質」とは

仕事の「質」とは、何を指しているのでしょうか。これも非常に曖昧な言葉です。言葉にすると次のようなことが考えられます。

  1. 所定の期限内に成果を収めること。

  2. 依頼主の求めるレベルで成果を収めること。

  3. より効率的に成果を収めること。

  4. 成果に付加価値があること。

このように見ると、仕事の「質」とは、成果物のようなアウトプットや成果を出すまでの過程を指しているようです。期限を守ることはもちろん、最小限の労力で成果を出すという時間という要素も含まれます。また、最小限の労力で成果を出すことは、かけるコストが少ないこととも言えます。

一方で、質より量の議論の中で、「質」を例える代表として「手の込んだもの」が挙げられることがあります。これは、成果につながっているかが判断のポイントでしょう。

例えば、仕事の量で例を挙げた会議の資料。A4用紙1枚で済むところを、ただ10枚に増やしてしまうのは目的を見失っている、つまり、資料作成を目的にしてしまっている可能性が高いです。

会議の目的は、情報の共有や何かの意思決定をすることです。情報が冗長でまとまりがなければ、素早い意思決定が阻害されてしまいます。必要以上に手の込んだ会議資料は、かけた時間や労力に対して効果が小さいため、結果的に質が低いものになってしまいます。

一方で、プレゼンの資料はどうでしょうか。自分の主張を視覚的に伝えるには、繰り返しの試行錯誤が必要です。会議室の広さや明るさを考え、フォントサイズ、色、文字数、図に可能な限り手を加え、自分の主張が一目でわかるように工夫することは、当然必要なことです。

プレゼンは、聞いた人の行動を促すことが目的です。たとえ資料の作成に少し時間がかかっても、聞いた人の行動を促すことができれば、質が高かったと考えられます。反対に、資料を早く作っても、プレゼンで自分の主張が人に伝わらなければ、その資料の質は低かったと言えるでしょう。

これらを踏まえ、仕事の「質」とは、

費用対効果(B/C)

と定義します。成果(効果)につながることを少ない労力(費用)で効率的に行うということです。

まとめ

  • 仕事の早さ:成果を出すまでの早さ

  • 仕事の量:成果を生み出す行動量

  • 仕事の質:費用対効果(B/C)

自問自答を繰り返しながら、何とか自分がしっくりくる言葉にすることができました。皆さんはどのように感じますか?ぜひコメント欄に意見をお寄せください。こういったことを議論できる場があると嬉しいです。

残る疑問は、早さ、量、質の3つのうち、どれが一番大事なのかということです。優劣はあるのでしょうか。この議論の続きは次回にしたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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