【小説】SNSの悪夢
自分の何が悪かったんだろうか??彼女との生活を考えながら、待つための部屋に戻る。
部屋に入って、そこに在る椅子に座り込みと、
「私が加害者に成ったみたいだ、夫としての責務は果たしてきたつもりなんですけど。」弁護士に話しかける。
弁護士はフウと溜息を付いて、それにこたえ始めた。
「私はあなたの弁護人ですからあなたの側です、だけど何も口を利かないと言うのは問題ありますよね。」即座に反論しようとしたら、手を上げて話をつづけた。
「解かりますよ、奥さんにはちゃんとお金を渡していたとか、何処かに連れて行ったとかがあるのは、でもね、夫婦ってお互いに片方しか見えていない二人が手を繋いでいるんです。」
「考えてもご覧なさい、どちらも反対側が見えないのに手を繋いでいたら、声を掛け合うしか方法は無いですよね、その方法をあなたはしなかったんですよ。」弁護士が困った顔で言った。
「私は仕事が忙しい時には無口になって話さない時があると彼女には言ってあった、彼女も分かって居た結婚生活だったんですよ、今更言うなんて。」言い訳に等しい言葉だ。
「それでもね、一般的には何も話さないのは、モラハラと言われても仕方が無いでしょうね。」弁護士が断言した。
「私は加害者じゃ無いですよ、ちゃんと彼女が豊かで自由な生活をする為に、仕事をしていただけです、結婚前には仕事で気持ちに余裕が無かったら楽しくおしゃべりなんてできないって言っていたんですよ、それでも私は大丈夫って言っていたんですよ彼女は。」納得いかない声が出ていたと思う。
「解かりますよ、でも離婚には被害者とか加害者とか言っても仕方ないでしょう、離婚で問題になるのは、財産分与と慰謝料でしょう、言っておきますが、結婚している限り婚姻費用は払わなければ為らないので、早く離婚した方が良いですよ。」諭すように言ってくる。
「婚姻費用ですか?彼女の生活費を払わなければ為らないんですか?勝手に出て行ったのに、私は非難されて逃げられたんですよ。」納得が出来ない。
「解ってます、私もあなたの弁護士ですから、納得は出来ないです、それでも法律なんですよ、婚姻関係が解消されてない限りは生活費を分担する義務が有るんですよ、なるべく早く離婚を成立させましょう。」
そうか、彼女は専業主婦で、今仕事して居ないのか、自分で出て行ったんだから仕事位すればいいのに。
「言っておきますが、婚姻費用は多く稼いでいる方が、少ない方に出すんですよ、今あなたに収入が無いのであれば、払わなくて良いですよ。」弁護士は続けた。