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本が読める社会

年代的なものか、私などは本を読むからと言って、それがカッコいいとは考えたりしない。

だってそうでしょ、図書館に行ったら、本を読んでいない人の方が少ない。

それよりも、今ならスタバでパソコン開いて仕事している方が、カッコ良いと考えたりする。

スタバの中の人は、そんなに長居するの??と考えているのかも知れないんだけどね。

本当に本よ読むのは、全部カッコいいの??違うでしょ。

急にこんな事を言うには理由がある。

1997〜2012年に生まれたZ世代は紙の書籍を好んで読むという、シンディ・クロフォードを母に持つ、モデルのカイア・ガーバー(22)が「昔から本は大好きだった。読書をするのはセクシーよ」と言ったらしい。

セクシーの定義は解らないが、モデルの女性が言うとそりゃあ頷くよね、本人がセクシーなんだからさ。

この方の言いたいのは、読書をするのは、自分に限らずセクシーな行為だと言いたいのだと思う。

少し前に、アメリカの学生が本を読んだ事が無いという記事を読んだので、現代の大学生は読まないのに、Z世代は読むのだと云うのが驚きだ。

セレブやモデルが本を読むのがセクシーだと言うと、そりゃあお前らはなとか言う人も出てきそうだが、別にパフォーマンスでしょと非難する理由もない。

美女やセレブだからと言って反発する必要なんてどこにも無いのだから。

それでもね、セクシーやらカッコいいやらと云う言葉にすると、読書をするのがむず痒くなるのは何故だろう。

堂々と好きだから読んでいるんだというのは、なんと無く恥ずかしい、セクシーに見られたいわけでは無いという言い訳など要らないのにね。

私はこの所はあまり本は読んでいない。

他人と比べた訳では無いが、中学生時代は在る本は何でも読もうと考えて、実際に読んでいたが、理由を付けて読まなくなっている。

月に数冊って感じである。

NOTEを読んでいると、物凄く沢山の本を読んでいる人も居て、皆さん凄いなと常々思っている。

だから昨今の私に於いて、読書はセクシーとかカッコいいとかでは無く、スゴイと云うのが本音だったりする。

私の父親も若い時には本が好きだった。

「本だけは手放せないのや。」子供の頃にはそう言っていた気がする。

その父親が60位になった時に、「お母さん(母親の事)から、そろそろ片付けもしないかんし、本も売ったらって言われてだいぶ売ってしもた。」と言った。

「売ったの??」いい本も欲しい本も沢山有ったから、勿体無いと思った物の、そこは父親の本である、私には権利はない。

「年取ったら、物は減らさなあかん、それに家が小さなったから、本も処分せんとな。」

本に処分と続けるのが、何となく不自然で、心の中から同意は出来ませんとの言葉が渦巻いていた。

ミュウミュウというブランドがある、プラダ社の新しいブランドで、高級ブランドが売り上げ低迷に苦しむ中、躍進を続けている。

ミュウミュウのプロモーションとして、プラダはSNSを強化して、積極的に発信して顧客を獲得しているらしい。

そのミュウミュウは「読書コミュニティ」の形成など、衣服を超えた分野でのマーケティングも推し進めているらしい。

ロンドンの出版社「アイデア・ブックス」を設立したデイヴィッド・オーウェンは、高級ブランドが「読書体験」と自社を結びつけるのは、「ファスト・ファッション」との線引きを明確にしたい思惑もあるからだと、米誌「ヴォーグ・ビジネス」に語っている。

「読書は時間のかかる行為です。高級ブランドは古典的な文学と手を組むことで、品質の永続性やゆったりと時間を過ごす満足感を暗にブランドの価値として示しているのではないでしょうか。」

この行為がファストファッションとの線引きに為るかどうかは解らないが、ファストファッションの安くて手軽な部分との線引きにはなる。

ミュウミュウのファンの一人は考えを語る。

「ミウッチャ・プラダは女性たちが知識を蓄えること、そして声を上げる力を得ることにも情熱的に取り組んでいるのだと思います」

女性が早い安い手軽に流れるのではなく、もっと知識を得て、時間を掛けて物を選び、その物が作られた経緯や、問題点を知ることが本物の消費に繋がると言いたいのかもしれない。

無論私もそう考えてはいる。

だけど、ここで問題がある、消費全てが高くなってきている時代に、実は本を買い読む事も贅沢な事になっている。

ブランド品の購入なんて、夢のまた夢と云う状況に居る人間の方が世間には多いのだ。

それに仕事の時間に追われて、読書の時間に充てるのなら、眠った方が良いという人間の方が多いのではないだろうか??

日本では出版業界が不況だと言われて久しい、それが本当かどうかは解らないが、読書が贅沢になって、読み続けるのは難しいのかもしれない。

年金生活者は本を買う余裕は無い、(図書館という手はあるけど)働き盛りは時間も余裕もない。

何だか悲しい時代になったな~、考えてしまう。

本を読んで知識を増やすのが、セレブで無くても出来る社会になって欲しいな、切にそう考えている。


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内山祥子
文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。