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記憶で食べ物の基準が違うのよね

食べる物ほど、自身の生育が影響するものは無い、一生子供の時に覚えた味を食べ続ける訳では無いけど、自分で認識して基準を設けなければ、覚えた味が基準になる。

我が地方は関西圏なので(中部とか近畿とかとの話も出る三重県です)味付けは出汁味で薄い。

東北地方では塩味が濃いとか聞いているので、味と言う物は地方色が出る物なのだ。

そう言えば九州のお醬油を貰ったら、最初から甘い味が付いていて(全てがそうなのかは分からないけど)驚いたことも有る。

短大時代に寮に居て、その寮では昼と夜はお弁当、朝はパンと牛乳が出てきた。

パンや牛乳は誰も味を云々は言わない、基本的に好き嫌いは有っても、大体想像道理の物が出て来るのだろう。

それがお弁当の中身はちょっと違う、米が柔らかすぎるとか硬すぎるとか、味付けに至っては、薄いと濃いという正反対の感想迄ある。

人間の舌って様々なんだよね、生まれてから食べてきた食事が身体と共に、舌の感覚も作ってきていて、知らない間に培われてきた感性が基になってしまってるんだよね。

寮に居る時期には、ヤッパリ食べ物の話が多い、女子大の寮って女ばかりで、コイバナとかお洒落とかの話しをしそうでしょ。

それが女子寮って意外に食べ物の話が多い、人間恋より食べ物なのよね。

寮でカレーを作る日が在った、普段はお弁当が有るんだけど、日曜の昼は自分で調達しなければならない。

幸い寮にはキッチンもある、(殆どお弁当が有るのに何故有ったかは謎だが)皆で何か作ろうと言った。

大体はお決まりのカレーになる、なんかさ皆で作ろうとなるとカレーを作るのは私の世代の共通の決まり事なのかな?

学校でキャンプとかした時にもカレー、地域の集まりでもカレー、何だかねカレーしか知らんのか。

兎にも角にもカレーを作る、カレーで問題になるのは先ず肉だ、私は牛肉しか認めん、でなければちくわで良いタイプ。

香川の子と2人で買い物に行ったら、豚のステーキ用を買おうとする、ちょっと待って、プレイバック、今のお肉プレイバック、プレイバック。

「お肉は牛肉やと思ってた。」思わず声に出たよね。

「エ~、家では豚のステーキ用を細かく切って入れてる。」まじか、信じられない、トンテキや有るまいし。

「牛は高いで豚で良いやろ。」確かに高い、仕方が有るまい、豚でいくか。

この時にコメは炊けなかった、米だけ後輩に頼んだ。

「米かしといて。」

「先輩、かしておくって何ですか?」

そんな質問ある??あんた家政科やん。

でも優しい私達は説明したよね、「米かすって、お米洗って置く事。」かすって言葉が解らないと思ったんだ。

その子が何時まで経ってもかしたよ~と言わないので見に行ってみた、「先輩、泡が消えません。」と言ってくる。

泡?泡?泡?とな。

泡って何処から出るの?お米かすのに。

「泡???」この時の私の声は疑念が渦巻いた物だったろう。

「そうです、米を洗うって聞いたから、洗剤入れたんですけど、泡が消えなくて。」あんたホンマに家政科か?

「それはあかんわ、米を洗う時には水だけで洗うんよ。」こんな子も居るんやな、家政科やのに。

そんな訳でコメ無しの豚肉のカレーを皆で食べた覚えがある。

その時に、豚、牛論争のついでに、家に帰ってお雑煮を食べる時の話になった。

「お雑煮は出汁に焼いてない餅を入れて、とろとろにするのが良いな。」と言った。

我が家では澄ましだしに焼いた餅を入れるか、焼かないのが良いのかが問題になる。

他の人もそうだと思っていたら、難しい顔が対応してくる。

「お雑煮って白みその汁の中に入れるでしょ。」香川の子が言ってきた。

エ~、そんなん知らんわ、味噌使ったりするの????

「家では赤みそで作ってる。」これは九州の子だと思う。

そんなんみそ汁やん、ちゃうやろ。

餅は丸と言う子もいて、四角く切った餅しか知らなかった私は衝撃を受けた。

「そうなん丸餅って知らなかった。」素直に言うと、その子が首を振る。

「丸餅って云うか、あんこ入っとるやん。」あんこ入ってる餅って、大福とちゃうの?そんなの居れるの??

「白みその中にあんこの入ったお餅がお雑煮の定番でしょ。」香川の子が私が基準値よって顔で言ってくる。

「それは知らんかったわ、あんこ入ってるの?」私よりも先に九州の子が聞いている。

「エ~、お雑煮のお餅にあんこは入ってるでしょ。」いやあんさんそれは香川だけやって、心の中で突っ込んだりする。

「それって香川だけと違う。」他の地方の子が突っ込みを入れる。

「何処でも入ってると思ってた!!」随分ビックリした顔になる。

我が家のお雑煮は、昆布を前日から(忘れてた時は1時間位)水に入れて、ふつふつしたところで抜いて、火を強めてぐつぐつの所に鰹節をたっぷり入れて直ぐに火を止めて、鰹節が沈んだところで濾して、みりん、しょうゆ、で味付ける。

最後に小松菜と焼いてある鶏肉と蒲鉾の上に、丸か四角の焼いたお餅を入れて食べるのが定番だ。

あんこのお雑煮も興味はあるが、きっと我が家では不評だろう、これまで食べてきて無いしね。

来年は作ってみようかな、あんこの入ったお餅を手に入れるのが難儀やけどね。

#うちのお雑煮

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内山祥子
文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。