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インドアスカイダイビングに挑戦!【還暦カウントダウン1/30】

60歳までの30ヶ月で、毎月1つの「やりたかったこと」を実現していく還暦カウントダウン企画です。

一度でいいから空を飛びたい!

子どもの頃から空を飛びたかった。寝ている間にふわりと体が浮き上がり、窓から飛び出して住んでいる町の上空を自由に飛び回る。そんな夢を何度も繰り返しみたものだ。

今回の企画を思いついた時、「空を飛ぶ」は外せないと思った。問題はどうやって飛ぶかだ。パラグライダーは20代の頃に何度か体験した。楽しかったけれど、ハーネスに座っているため「装備に乗っている」感覚がある。これじゃないんだよ、体ひとつで飛びたいんだよ。ほうきに乗って飛ぶキキじゃない。自由に空を飛ぶピーターパンになりたいのだ。

そこで調べたのはスカイダイビング。一般の人が体験できるのは、タンデムジャンプという2人乗りのスカイダイビングらしい。インストラクターのお腹と自分の背中がくっついた状態で空中を落下するようだ。

いやでもこれって、自分で飛んでるっていえる?ウェンディが自力で飛べず、ピーターパンにうしろハグされて無理やり飛ばざれているみたいじゃない?え、いやん。なにその設定。どうしよう。照れちゃう。集中できない、そんな状態。

料金を調べると、空中での撮影つきで平均50,000〜70,000円。空を飛んでいる感覚が味わえるフリーフォール(パラシュートが開くまでの時間)は、約45〜50秒ほど。

50秒50,000円。

うぉー!高っ!!!!

いや、命を預けると思えば安い。むしろ安すぎるぐらである。それはわかっているのだが、私のお財布だけにフォーカスするとむっちゃ高い。noteの企画で毎月使う予算としては、ありえないほど高い。

インドアでできるスカイダイビング体験

そこで思い出したのが、以前TV番組で見た室内でスカイダイビング体験ができるインドア・スカイダイビングだ。これならもう少しお手軽価格で体験できるはず。

インドア・スカイダイビングは、高さ19.8m、直径4.5mのウインドトンネル中で最大風速360kmの風にのって空中浮遊ができる。2024年5月現在、日本でインドア・スカイダイビングができるのは埼玉県の越谷市にあるフライステーションだけである。

料金は、1回のフライトで大人5,800円(平日)。オプションで、インストラクターが約8〜10メートルの高さまで連れていってくれるタクシーフライ600円がある。タクシーフライをつけられるのは2フライト以降なので、5,800円×2フライト+タクシーフライ600円で12,200円。

1フライトは60秒、スカイダイビングのフリーフォールより10秒長い。2回飛ぶと120秒で12,200円。うん、これはありだ!よし、飛ぶぞ!

アラカン的トラブル発生

当日、受付を終えたら、フライトスーツに着替えて事前講習へ。空中での姿勢やウインドトンネル内の入退室の方法などをVTRで確認し、専用の台の上で基本姿勢の練習だ。

先ほどVTRで見た通り腹ばいで弓なりになり、手足を広げる。両腕を肘を曲げたバンザイのようにあげていると、インストラクターのお兄さんが「もうちょっと高く。顔の前に手のひらがくるぐらいの高さで」と言うなり、私の腕をひょいっとさらに上へと持ち上げた。

……ぐぎょ!!ぐぅぅぅう。

痛い。腕を上げているだけで、猛烈に痛い。そう、私は悲しき五十肩。

「空中ではこれぐらいの高さでキープしてくださいね」

いや、無理。こんな高さでキープなんて、なにをおっしゃるお兄さん。五十肩をなめんなよ。

しかしそんな心の声と裏腹に、引きつった笑顔でうなずく私。事前講習は終わり、ヘルメットとゴーグル、耳栓とシューズ、などの装備をつけてフライト準備へ。もう引き返せない。

プカプカ浮遊体験に感動!

ずっと夢見ていたフライト。五十肩がなんだ、1分くらいキープしてやろうじゃないか。もし本当に無理だと思ったら、途中でリタイアしたくなった時のために教えてもらったハンドサインもある。大丈夫、プロがついている。

練習した基本姿勢で、吹き上げる風とお兄さんに体を預けてダイブするようにウインドトンネルへ。

次の瞬間、フワッと体が押し上げられた感覚があった。普通なら床に落ちるはずの自分の体が浮いている!

うわ!なにこれ!楽しい!!

幼い頃に繰り返し観た「ピーターパン」のフライングシーンを思い出す。一瞬、「私、飛んでる!」と思ったけど、ん?なんか違うな。飛ぶというより浮いている感じだ。これ、なにかに似てるなぁ。なんだっけ。そうだ、あれだ!駄菓子屋に売っていたオモチャ、吹上パイプ!


いらすとやさん、なんでもあるなぁ!

吹上パイプで浮き上がるボールのように、私の体は浮いている。床方向から噴き出す強力な風が、私の体をささえてくれる。どんだけの巨人が吹いているのだろう。想像するとちょっと怖い。そして巨人、肺活量がすごい。

ただ、私の体はボールではないため、体に当たる風が均等ではない。基本姿勢が崩れると、クルクル回ってしまったりウインドトンネルの壁方向に流れてしまったりする。巨人への絶対的な信頼と自分への不安が共存している。

57年と6か月生きてきて、まさか自分が吹き上げパイプのボールの気持ちになる日が来ると思わなかった。人生って面白い。ピーターパンにはなれなかったけれど大満足だ。

2階の高さまで急上昇!

ここで60秒が過ぎ、最初のフライトが終了した。30秒の休憩の後、2回目のフライト。ついに約10メートル、2階の高さまで急上昇できるタクシーフライだ!

一気に舞い上がるように2階の高さへ。さっきまで吹上げボールになって浮いていた位置がはるか下に見える。ウィンドホールは建物の中央に吹き抜けのように設置されているため、目の前には2階の景色が飛び込んでくる。

何度も上昇と下降を繰り返す。事前に動画で見た時は、東京ディズニーシーのアトラクション、タワー・オブ・テラーのような感じかと思っていたが、まるで違った。

落ちるのではなく、浮いたまま高スピードで降りていく感覚。他のなににも例えられない、生まれてはじめての経験だ。あぁ、ピーターパンってきっとこんな気持ちで飛んでるんだ。私、なれたよ!ピーターに!!

気がつくとめっちゃ笑っていた。と、同時に口から大量のよだれが出はじめた。え?楽しいけど、なにこれ。なんでよだれ? 二カーっと笑った口の中に最大風速360kmの風が吹き込んでくる。これか? これがよだれを誘発しているのか?!

下降するタイミングでよだれは空へと解き放たれた。いやいや、ピーターパン、よだれ出てなかったよね?混乱したまま60秒が過ぎ、私のピーターパン体験は終了した。

よだれピーター体験はプライスレス!

120秒で12,200円、これを高いと思うか安いと思うかは人によるだろう。私にとっては、決して安くはないけれどプライスレスな体験だった。

そういえば、あんなに痛かった五十肩の痛みを体験中ずっと忘れていた。吹き上がる風がサポートして押し上げてくれたのだろうか。ありがとう、巨人。心なしか肩も軽い。リハビリ効果まであったのかもしれない。

インドア・スカイダイビングは、控えめに言って最高だった。ぜひまたやりたい。何度でもやりたい。なんなら毎日でもやりたい。興味がある方は、ぜひ、挑戦してほしい。ちなみに、有料オプションで口周りをガードできるネックゲイターがレンタルできる。これを使えば、よだれは防げるのかもしれない。

60までにやりたい30のこと、残り29。

チャレンジ動画はこちら↓

今回お世話になったのはココ!〜FlyStation

◀️還暦カウントダウン2/30


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