見出し画像

AWESOME Choices Issue no.08「短大卒業後にICTに魅せられて工学部へ、その後起業」というキャリア


横井さん

現在起業3年目、株式会社NextWillで業務改善ICTコンサルティングを行っています。
具体的には、顧客の業務をお伺いし、業務の自動化や支援ツール開発などを行っています。
この仕事の面白さは、忙しい仕事に疲れている現場の方達が、支援ツールなどのICT化により余裕が生まれ、未来に向けて目がキラキラと輝きだす瞬間に出会えることです。
理系学生時代は、大阪工業大学の工学研究科経営工学専攻で、なぜシステムは使いにくいのか?という観点から派生して、認知や理解過程に沿ったICT支援を研究していました。

現在は起業されて、ICTに関する事業を経営されているとのことですが、学生時代の進路選択の時のお話や、その後工学部に進まれた背景について聞かせてください

子供のころから理系分野は大好きだったのですが、高校の頃に勉強をする気が無くなり、理系がいいなぁと思いながらも文系を選択し、そのまま文系短大(情報系)へ進学しました。

ICTの勉強は楽しく、その後システム開発企業へ入社し、大規模システム開発メンバーとして関わっていました。その後大学の情報システムへ転職したとき、仕事上で視座を上げたいと考えるようになり、体系的に学べる理系の大学への進学を考えました。

貯金がなかったので仕事をしながら通える関西の理系を探し、当時夜間があった大阪工業大学の工学部経営工学科へ社会人入学しました。経営工学を選んだ理由は、ビジネスや社会の基盤上でのICT活用という位置づけで、体系的に学べると考えたからです。

高校を卒業してからブランクがあったので最初は数学等で苦労しましたが、夜学へ通う時間を作る為に職場へ時短週6日勤務の交渉をしたり、毎日睡眠時間4時間で仕事と遠距離通学・週末は実習レポート作成という生活を4年送って無事卒業し、その後大学院(昼間)へ進みました。

夜間といっても授業が10分短いだけで昼間と同じカリキュラム・同じ講師で学ぶことができましたし、勤労学生の為に学費分納制度もあったので、学ぶ機会を頂いた職場と大学へは、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

いったん文系の道を歩まれていたものの、その後工学部の大学院まで進まれたというところからも、本当にICTの面白さに惹かれたことが伝わってきました。

現在までに経験したお仕事を選ばれた理由について教えてください

仕事は全てICTの関わる分野ということで選んできましたし、当初関りがなくても提案してICTを組み込んでいきました。

具体的には公共・流通系システムエンジニア(SE)・大学の情報システム、大学非常勤講師、流通系企業の社内SEとして流通基幹系や社内全般のシステム開発・中国とのオフショア開発、人事部にて人事考課システム開発や中国拠点の人事制度構築、流通部門にて全体を見渡せる業務などを経験しました。その後これらの経験を活かして2年前に起業し、現職となっています。

本当に様々な業種や分野でICTに携わってこられたんですね。では、お仕事の中でご自身が「理系が出ているな」と感じることなどはありますか?

現場での「あたりまえ」について前提を疑うところ、由来や元データを確認して最適化を再定義するところに理系を感じます。前提を取り払い新しい枠組みを提供できるのは、とても楽しいことです。

「そもそも」が適切なのかを見極める視点はまさしく理系マインドそのものですよね。

横井さんは、理系以外のお仕事も経験されていたと思います。理系で学んだことで感じたメリットやその逆などもあれば、是非教えてください

ビジネスでは売上など必ず数字が関わりますし、分析・モデル化・予測・意思決定と、理系分野の知識があれば活躍の場は広がります。現場の課題に学生の頃に学んだ問題を適応できたり、背景の知識があるということもメリットになります。

また一見文系な「人事規程」作成などでも、問題を構造として整理・組立するなど、理系だからこそ仕事を進めやすいと感じたこともありました。

ビジネスでは数字を扱うことが本当に多いですし、数字から客観的に判断し、道筋を見極めていくことができるので、職種関係なく理系を学ぶことの意義は大きいと感じています。

「理系で学んだこと」や「リケジョ」に対して何か思うことなどあれば教えてください

理系で学ぶということは、「数式」という世界共通言語を1つ獲得するということです。日本語や英語などの一般的な言語に加えて、世の中をエレガントに表現したり理解・伝える幅が広がります。これが標準装備されているのは素晴らしいことですよね。

理系に携わる方なら共感できるかもしれませんが、数式をコミュニケーションツールとして活用することで、お互いの理解を助け合うことがあるので、数式は万国共通語で、エレガントな表現ツールというのが、とてもピッタリだなと感じました。

最後にこれからの進路を考える女子中高生や理系学部で学んでいる学生の方などに向けて、ぜひ一言アドバイスをお願いします

今進路を考えている方へは、自分が時間に追われながら勉強した経験から、学生として時間に余裕のある時期に知識として理系を学ぶことをお勧めします。

AIの活用が進む今後は、ますます理系の前提知識が必要となりますし、一度学べば将来必要になった時の取り組みがとても楽になるので、メリットしかありません。

またネットで学ぶ環境も整ってきたので、仕事を始めてからでも場所や時間の制約なく学ぶ機会は今後いくらでもあります。必要なときにいつでも理系に触れて頂ければと思います。

一方、学生の間は意識することはあまりないかもしれませんが、日本の企業は女性の活用が遅れています。

今後の人材不足で改善が進むと思いますが、分野によっては制限が残っている分野もあるようですし、一般的な企業でも女性管理職はまだ10~20%ぐらいと活用はまだまだ途上です。理系で学ぶということは、その専門的な内容以外にも男性と対等に仕事をしていく「気概」を持てることだと考えます。また、独立によって組織のしがらみから抜けて仕事することや、ICTと絡めて結婚や育児時も在宅ワークで柔軟に働く選択肢を増やすこともできるでしょう。

ぜひ「理系」を活かして、人生の幅をどんどん増やしていってほしいなと思います。

最後に

短大では情報系を学び、就職後にICTに深く関わったことから、働きながら工学部へ進学、その後大学院まで進み、更に経験を積まれたのちに起業された横井さんだからこそ、言葉の一つ一つにご自身の努力と経験から来る重みがあり、大変参考になりました。

貴重なお話ありがとうございました。横井さんの更なる活躍を応援しています!
以下が横井さんの事業サイトです。興味のある方は覗いてみてくださいね。

あとがき

いかがでしたか?
AWESOMEでは、理系で培ってきた強みを活かして、さまざまな業種や職種で活躍する女性の「選択(Choices)」から見えてきたストーリーを紹介していきます。
ぜひ、マガジンのフォロー、よろしくお願いします!
また、一緒にリケジョの次を創っていく仲間も募集中です。関心のある方は、以下の登録フォームからよろしくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?