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見えている世界はホントなのか〜『ちいさなちいさな王様』
生まれた時には大きくて
ほとんどなんでも知っている。
微分積分の計算も解けるし、
仕事相手とのお食事会だってなんのその。
でも、そうこうしているうちに、
ちょっとずついろんなことを忘れていく。
そして、少しずつ小さくなっていく。
「僕」の人差し指ほどの
ちいさな王様の世界では、
年を重ねていくにつれて
小さく小さくなっていく。
ちいさな王様の世界では、
小さくなればなるほど偉いとされる
仕事はしなくていいとされ
いろんなことから解放される
”大きな連中”は”小さい者たち”を
尊重し、敬愛する
ある日ちいさな王様は「僕」に言う
「おれはな、おまえたちが、どんどん大きくなっていくっていう話は、やっぱり本当はちがうのではないかと思う。おそらく、単にそう見えるだけなのではないか、とな」
「どうしてそんなふうに思うんだい?」
「実は、おまえたちも、同じように大きいところから始まっているのではないだろうか」
王様は続けた。
「お前の話が、事実だとすれば・・・・・・。おまえたちは、はじめにすべての可能性を与えられているのに、毎日、それが少しずつ奪われて縮んでいくのだ。」
「単にそう見えるだけ」
この文を見たときに、
視界に奥行きが生まれた気がしました
ぐるっと地球を一周回って
自分の後頭部を眺めているような
そんな不思議な感覚です
自分の目で見えているものは虚構で
後ろからもう一つの目で見ているものがホントのような
赤ちゃんは確かに
はじめにすべての可能性を与えられていますね
「奪われて縮んでいく」のは
もったいない気もしますが
自分の行きたい方向へ向けて
収斂されていくなら、良いような。
収載されている
「大きくなると小さくなる」
「眠っているときに起きている」
「存在しないものが存在する」
「命の終わりは永遠のはじまり」
「忘れていても覚えている」
の5編は、どれも
想像の世界と言うにはあまりにも
真実を伝えているようなお話ばかりです。
見えるものが変わる、
意識が反転する、
不思議な本でした。
最後まで読んでくださりありがとうございました🌈
気ままな読書記録でした📕
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