アカシックストーリー 光溢れる魂の家族の物語
アカシックストーリー
アカシックリーディングで視えた
ビジョンに創作を加えて
書き上げる、あなただけの物語。
以前に数名ほど、依頼くださった方に
書かせてもらいました。
美しい、愛の記憶の、物語。
今回は私の中の、アカシックストーリーを
書き起こし。
様々な考えが浮かんだり、感情的な手放しが
起こっている時は書くことがいちばんいいよ、
と高次からアドバイス。
テーマは FAMILY
この世の家族は、人間だけではない。
馬も鳥も、木も風も、皆、家族なのだ。
そして、狼も。
馬と共に暮らす部族の長の娘・ルーラは
たいてい、森を走っていた。
神の贈り物、と呼ばれる、
馬・ソレアードと共に。
俊敏で思慮深く、火の鳥のような
鮮やかな強さと、静かに波打つ海のような
心を持つソレアード。
ルーラは少女の頃、ソレアードに出会い
魅せられた。
長である父にソレアードに乗りたいと
懇願した。
元々、馬の扱いに長けたルーラ。
二つ年上の兄・ロダスが部族の跡継ぎ
であるが、気弱で優しいロダスよりも
父はルーラに一目置いていた。
ソレアードもルーラを受け入れ、
無二のパートナーになった。
あれから7年が経ち、大人の女性に
成長したルーラ。
しかし、縁談などには一切、興味を示さず、
ソレアードと森を駆けていた。
ルーラは風の声を聞き、
木の詩を聞く。
祈り手である祖母に、風の声と
木の詩を伝え、祖母はそれを心に留め、
天地に祈っていた。
人間よりも、私は
木や風や空、
鳥や馬、蝶や虫たちの方が好き。
変わり者だってわかっているけれど。
ルーラの心にはいつも
そんな思いがあった。
ある日のこと、ロダスが言った。
「ルーラ、ソレアードを貸して
くれないか?水辺に魚が上がって
いるか見に行きたい。」
兄の言葉に
ルーラは胸の辺りがざわざわとした。
「ソレアードは唯一、
水が得意じゃない。
浅瀬までなら。」
「もちろん、浅瀬までしか
行かないよ。」
ロダスの目は真剣だった。
ルーラは少し考え、そして
返事をした。
「いいよ。気をつけて。」
「ありがとう。
夕方には戻るよ。」
ロダスはソレアードと共に
水辺へ向かった。
夕暮れ。
沈む夕陽の、
見事な光にルーラは目を細めた。
すると、大きな夕陽の中に
ロダスの姿が見えた。
ロダス?
ルーラは嫌な予感がした。
ロダスは体を引きずるように
歩いてくる。
「ロダス!どうしたの?ソレアードは?」
倒れそうにロダスは歩いてきた。
そして、目を伏せてつぶやいた。
「ルーラ、すまない。」
「ソレアード!ソレアードは?」
ロダスは首を振った。
「銃声がして。ソレアードは
驚いて僕を振り落とした。
探したけれど、見つからなかった。」
ロダスは涙を手で拭った。
ルーラは体を引き裂かれるような
痛みを感じた。
そして目の前のロダスを詰りたい
気持ちでいっぱいだったがそれを堪えた。
父は見ていた。
「ロダス、ゆっくり休みなさい。」
父の言葉にロダスは頷いた。
ルーラは胸の震えを抑えていた。
「ルーラ、明日、ソレアードを
探しに行きなさい。
後で祈祷をしてきなさい。」
ルーラは祖母に、薬草を使った祈祷を受けた。
煙が上がり、祖母が祈りの言葉を
つぶやく。
「ルーラ、絆を信じなさい。
ソレアードと必ず会える、
そう信じなさい。
ロダスを責める気持ちを出し尽くして。
そして後は、ソレアードとの絆だけを
信じなさい。」
祖母はそう言って
長い、白い羽をルーラの頭上にかざした。
「助けが現れる。
それはルーラの、深い縁に結ばれた。
そしてルーラの、真実が手繰り寄せられる。」
ルーラは祖母の言葉通り、
ロダスへの怒りを煙の中に込めた。
怒りは立ち昇って行く。
そして薬草の香りに包まれて
ソレアードを思った。
光に透ける美しい鬣、薄い皮膚、優しくて
その奥は強い瞳。柔らかな背中。
耳に残る、ソレアードのいななき。
ただソレアードを思い、
案じた。
そしてソレアードを愛していることに
幸せを感じた。
すべてに感謝をした。
翌朝、ルーラは森へ入った。
短刀を懐に。
この森は深く、神聖であるが故に
邪気を持つと迷宮となり、
出られなくなる、と言い伝えがある。
木の詩を聞くルーラは、森の精霊たちとも
心を通わせていたが、昨夜の祖母の祈祷の
言葉を胸に、ソレアードと会えることを
信じ、疑いや不安を持たぬようにしていた。
ほんの小さな、感情の綻びから
邪気が入り込むこともある。
それでも、ソレアードとは心で繋がっている、
ルーラはそう確信していた。
樹々が風にそよぐ。
ルーラ、どうしたのだい?
木は問いかける。
ソレアードを探しに。
ルーラの言葉に木は言った。
幸運を祈るよ。
ルーラは深く頷いた。
森の中を歩き、進んで行くルーラ。
すると、白い影のような、何かを感じた。
短刀を構えてゆっくり近づくと
縄の罠に足を捕られた、狼。
狼は美しい、白い被毛と
神聖さを放っていた。
ルーラに気づくと、狼は低く鳴いて
威嚇した。
縄が足に食い込んでしまい、歯でちぎる
ことができず、狼は苛立ちながら
荒い呼吸を繰り返していた。
「私が切るぞ。その縄を。」
狼はまっすぐにルーラを見た。
不思議な、美しい、ペールブルーの瞳は
どこか懐かしい。
「お前に触れるぞ、近くに寄るぞ。
縄を切るためだ。じっとして私を信じてほしい。」
ルーラはそう言って狼に近づく。
荒い呼吸をしながら、その瞬間、
大きく口を開いて威嚇した。
「大丈夫だ。縄を切るだけだ。
すぐ楽になるから。」
噛みつかれるかもしれない、
けれども、縄を切ってやりたいだけ。
ルーラは狼の足に絡んだ縄を短刀で切った。
すると、狼は安堵して、口を大きく開け
舌を出したまま倒れ込んだ。
「辛かっただろう。よく耐えた。
縄を切る間、じっとしてくれて
ありがとう。」
ルーラはそう言って
狼の背中をそっと撫でた。
すると、狼は潤んだ瞳でルーラを
見た。
そして頭をルーラにもたげ、
体をも預けるように。
ルーラは狼を撫でた。
そして、祈りの言葉を呟いた。
この者の、勇気と、その愛と
魂の強い光が、この者の永遠の守護となる。
狼はルーラの腕の中で
柔らかな呼吸を繰り返す。
ルーラは狼を愛おしく撫でた。
しばらくすると狼は体を起こした。
そして辺りを見回した。
「少し体が楽になったなら、
群れにお帰り。もう罠にかかったり
しないよう、祈りを捧げたから大丈夫だよ。」
ルーラが言うと、狼はまっすぐに
ルーラを見た。
純粋な美しい瞳。
ソレアードと同じ。
動物たちの瞳は、皆、まごうことなく。
何かが近寄ってくる音がした。
ルーラは短刀を後ろ手に構えた。
すると、樹々の間から
白い気配。
それはもう一頭の狼だった。
体が大きく、威厳があり、
そして強い、まっすぐな、陽の光の色
をした瞳。
その狼は近寄ってくる。
「お前の仲間か?」
二頭の狼は再会を喜び合った。
「良かった。仲間がいて。」
ルーラは狼の足に残る、縄の跡を撫でた。
「さあ、お行き。」
しかし、二頭の狼は立ち去ろうとは
せず、ルーラを見ている。
二頭の頭上から、光が差している
ように見えた。
ルーラは風の声を聞いた。
祈りと、魂の答えだ。
二頭は天からの助け、そして
魂の家族。
風は言った。
ルーラは二頭を抱きしめた。
「ありがとう。私の家族。
共に生きよう。」
ペールブルーの瞳の狼はまるで優しい月夜の
ようであった。
そこから、セリニ、と名付けた。
太陽の光の色の、強く威厳のある狼は
燦然とした光のようであった。
そこから、ヘリオス、と名付けた。
ルーラは
ヘリオスとセリニを連れて
ソレアードを探すことにした。
ルーラの脇から斜め前をヘリオスが
護るように歩き、
ルーラの脇から斜め後ろを
セリニが護るように歩いた。
森を抜けて、水辺が近くなると
水面が反射し、キラキラと光っていた。
ソレアード、ソレアード。
ルーラはソレアードを思った。
ただ、愛を送った。
そしてただ、愛している、と
ソレアードの心に伝えた。
反射する光が強く、輝きの中に
何かが見えたが、ルーラは
目を開けられずにいた。
すると、ヘリオスが遠吠えをした。
立派な遠吠えだった。
そしてセリニも、遠吠えをした。
ヘリオスとセリニの遠吠えが
響き渡る。
ルーラは光を掻い潜るようにして
やっと目を開けた。
水を蹴る足音、
慣れ親しんだ息遣い。
そして光の中で、赤銅色に輝く。
ソレアード!
ルーラは叫んだ。
ソレアードは物見していたが、
ルーラに気づき、軽快に走り寄ってきた。
ルーラはソレアードの首に抱きついた。
「ソレアード、愛しているよ。
ソレアード、お前を信じていた。」
それからルーラはソレアードと
ヘリオスとセリニと、村へ帰った。
祖母は言った。
天と地を繋ぐならば
天ばかりを仰ぎ見て
地ばかりに拘っていたなら
どちらにも橋をかけることは
できない。
両方があって
両方を知ることは魂を知ること、
永遠を知ること。
家族は人だけではない。
そしてすべてが家族であろう。
おわり
✨アカシックストーリーは
学びと、内観をすることができます。
何日かお時間をいただき、
書き上げます。(メールにて)
料金は4444円を予定しています。
クリエイターページから
お問い合わせ下さい。