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台湾の友人たちと日本文化に触れる旅のお終いは国立能楽堂での能鑑賞


[写真は国立能楽堂]

台湾の友人たちと今回の旅の目的、能楽鑑賞に至ったお話です。

台湾の友人たちが日本の伝統芸能である能を観に行く話は私も“本当に行くのかなあ”とギリギリまで、半信半疑の気持ちでした。
日本人でさえ、能は難しい、敷居が高いと敬遠されがち、台湾の方たちが日本の古い言葉を理解するのは尚更難しいだろうしといろいろ考えて本気で行きたいと思っているかということが気になっていました。


私は早い時期から今回の能舞台を観るために帰国することを予定していました。
能楽師の孫二人に娘婿たちはそれぞれ日常的に能舞台で演じているのですが、今回は全員が揃ってシテやツレを演じる梅若研能会特別公演で、私にとってみんなの舞台が観られる願ってもない機会なのです。

こちらは10月14日公演の
パンフレット
パンフレット裏面


以前、日本大好きの私の友人は私の孫たちが能楽師であるということ知った時に、即座に「私は能を観に行きたい!機会があったらぜひ連れて行って欲しい」と私に話していました。

以前から能へは関心を持っていたようで、台湾の芸術関係の本に掲載されていた日本の能の記事を読んだことがあるとも話し、その記事を見せてくれたこともありました。
それでも、本当に行くかなと思いつつ今回の日本行きのお話をすると、“行きたい”と本気なのです。

それで、はるばる日本まで出かけて能を観てもらうからには、少しでも分かって喜んで欲しいと思い、事前に開かれる[能のみどころ講座]というものがあるということ、それがどのようなものなのかをあらましお話しました。
長い日程にはなるけど、能を伝承している家を直に見たり、物語のあらすじを知り装束や面を直に見たりすることができるので、この講座に参加すれば理解の手掛かりになるかもと提案をしてみました。

是非それには参加したいとのこと。他の友人たちも誘いたいと、関心のありそうな友人たち3-4人に声を掛けてくれたようです。
11日間という長い日程でもあるので、都合のついた3人と私を含めて
の4人の旅行となりました。
(ちなみに、この4人は春に福岡への写生旅行も共にした絵仲間で芸術にとても関心の高い、しかも気心の知れたメンバーです。)

飛行機のチケット手配などをする段階まで私はずっと半信半疑でいたのですが、いざ具体的に動き始めたらみんなとても乗り気であることが分かり、手配をためらっていた能のチケットをあわてて東京の娘の所に頼んだのでした。
正面席は取ることができなかったのですが、幸い脇正面をおさえることができてホッとしました。


そこで、せめてあらかじめ当日観る能の演目のあらすじやどのような言葉表現なのかに少し触れておいてもらうと良いかな(翻訳機能などで見られるかも)などと考えて、娘に資料を依頼して送ってもらいました。
とても詳しいものが送ってきました!

熊野(ゆや)の資料 一部分
望月(もちづき)の資料 一部分

謡の全文も全てが詳しく書かれたもの。
謡の口語訳も書かれています。
この資料に目を通すのは大変だろうと思いつつも、このような文体であることや雰囲気が伝わればと思って日本語のわかる友人にだけ送信してみました。
すると友人は、およそ20枚にもわたるそれを全てコピーして冊子にして全員に配ってくれたのです‼️
私は大感謝!だけど他の2人の友人はかえってびっくりさせたかも知れませんね😅

と、こんな具合でいよいよ日本旅行の始まりです🛬


そして、羽田到着翌日にはさっそく
[能のみどころ講座]参加!
この日の様子は
この旅行の最初の記事で書かせてもらいました↓
もしまだお読みになっておられない方、その様子を書いておりますので是非どうぞ。この記事の末尾には当日収録したYouTubeの映像も載せておりますので、ぜひご覧いただけましたら幸いです。きっと能を身近に感じていただけると思います❣️↓


1週間後の国立能楽堂でいよいよ能鑑賞の日です。
演目は[熊野]と[望月]。
熊野のシテは梅若紀佳、ツレを梅若志長(ゆきなが)。
望月のシテは梅若紀長と私にとっては娘婿、孫二人が出演するという晴れがましい日です。


会場は国立能楽堂。
私はこの場所がとても好きです。
随分昔、謡を習い始めた頃に友人たちと初めて訪れた時の感動は忘れられません。
台湾の友人たちにも、この日本らしい素晴らしい場所を是非見て欲しいと思っていました。

この門をくぐった時から能の世界に誘われているちょっとした緊張感が感じられます。
正面玄関をぐるっと囲む前庭に開場を待つ方たちの着物姿などが見られ、三々五々ベンチに腰掛けたりして語らっている雰囲気もまた格別です。
入場後のロビーからの中庭の植え込みの雰囲気も素晴らしいです。
台湾の友人は木造の広いロビーや中庭の植え込みなどの写真を美しく撮影してくれました❣️

中庭の美しい植栽
苔が美しい
萩の花も美しい
ちょうどこの日の狂言は[萩大名]
おしゃれをして能楽鑑賞
着物姿で迎えた私の娘と
記念に📷

旅行前には
能を観る時の服装のことも気にしていた彼女たちですが、当日はすっかりおしゃれをして楽しんでいました♪

また
ホールにある能楽の専門店の売店でのお買い物も満喫!
売店の方が突然の嵐のような買い物にバタバタされていました😅

ホールや中庭の雰囲気も堪能していよいよ能の始まりです。

初めて観る能楽堂の内部、舞台の設えも独特です。始まるまでの静寂、少し緊張感を持って待つ雰囲気などどのように伝わったでしょうか。


中に2回の休憩を挟んでの能二番、間の狂言とおよそ3時間の能鑑賞でした。
この日の公演は
18歳以下の方は無料、その保護者の方は半額ということもあったので、いつもよりお子様の姿も多かったという印象でしたが、静寂な雰囲気は変わりありませんでした😊

私も友人たちに少しでも気軽に観て欲しいと思い、“夢うつつで観るのも能の世界に入り込めてまた良いところらしいよ”とは伝えていましたが
彼女たちは、終始身を乗り出すようにしてまさに鑑賞しているようでした。
[望月]の獅子舞の調子の良い部分などでは軽く手で調子すらとっているようでした。
橋がかりの幕が上がって人物が登場すると
美しい装束を身にまとい面をつけた姿には、みどころ講座で実際に会った能楽師と重ねて、はて?この人は?などと思っていたようです。
やはり、本舞台のお能を観ると感動もひとしおという感じです。

演能の写真は撮ることができないので、舞台の様子をお伝えできませんが、梅若紀佳、梅若志長のインスタグラムには当日の写真が掲載されていますので、ぜひご覧になってみてください。

梅若紀佳インスタグラム
https://www.instagram.com/umewaka_norika?igsh=dWZ6ZXpxd3l2NnZo

梅若志長インスタグラム
https://www.instagram.com/umewaka_yukinaga?igsh=ZWc0cDd2YWtkcnht

ちなみに娘が運営するこちらのサイトからも能に関する情報発信をしていますので、是非ご覧になってみてください。↓
[能を知ろうワークショップ    能と旅]
https://shiho24.com/category/


鼓の音や発声は強く耳に残ったようで、台湾に帰国後も家で時々“ヤーッ”とか声が出ると話してました笑

私と一緒にはるばる日本までお能を観に行ってくれた台湾の友人たち!
本当にありがとう😊

日本最古の伝統芸能の能を実際に国立能楽堂で観てもらえたことは
私にとっても本当に嬉しいことでした。


台湾の友人たち3人と
間の1週間ほどを
明治神宮、浅草、根津美術館、東京都美術館、箱根、鎌倉、横浜と一緒にパワフルに動きまわり日本を満喫できたのもまたとても楽しい思い出となりました。

ショッピングも合間合間で、そして
間の1日だけはまるまるショッピングデーとして十分?に満喫したようです(私はパワーについて行けなくて😅)。

なにしろ、台湾では日本製のものへの信頼度は高く(食品、薬、日用品、衣類他あらゆるもの)値段もほとんどのものは倍以上あるいはもっと高い、種類も豊富な中から選べるのでせっかくのチャンス!買い物度が高まるのも当然なのです。

日本に来た時よりもトランクが一つずつ増えて大きなタクシーで羽田へ向かいました‼️

はち切れんばかりの
トランクたち
大小9個のトランクが
積まれています
元気で楽しい旅でした❣️
私は少し遅れて台湾へ帰りました

(もちろん私も大荷物2個になりました😅)


[台湾の友人たちと日本の文化にふれる旅]と名づけて8回にわたる記事をアップしてきました。



ここまでお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。

台湾に戻って私はまた、台湾暮らしで見つけた楽しいこと珍しいことを書いていきたいと思います。
これからもよろしくお願いします。

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