マガジンのカバー画像

SAC about YODAN

120
運営しているクリエイター

2016年4月の記事一覧

オレストーリーは突然に

数年間かけて歩いてきた道が、だんだん道幅が広くなってきて、気がつくと、いま目の前には、広大な荒地がひろがっている。 いつのまにかそれは道ではなくなっていた。そのことにうすうす勘づいていながらも、確信が持てずにいたけれど、いま、確実に視界がひらけたと感じている。 ここにきてわたしは、仕事について、職業というよりも時間の使いかたについて、改めて本気で考えている。 12年間はたらいた会社を辞めるまでの、2009年から2年間も同様に、わたしは、仕事について、職業というよりも手段や

過去がかわるとき(『マチネの終わりに』を読んで)

「マチネの終わりに」平野啓一郎 著 を読み終えて、あたまの中に、ある考えがあふれてきたので、ちょっと書いておこうと思う。 「過去は変えられる」ということについて、何年もずっと考えている。 当時の経験や感情はかわらないけれど、あとからそれがまったく別のものに見えたり、まったく別の捉え方をするようになったりする。単に過去を美化するとか正当化するいうことではなく。 わたしはこどものころから父との相性が悪く、双方がそれを隠さない性格だったので、年々仲が悪くなっていった。 小学

花よりダンゴ、夢よりムチュウ

4月特有のにおいがする。 新しいことがはじまるにおいだ。 某チョコレートショップではたらいていたときは、毎年新入社員が入ってきて、そのキラキラした表情をながめていた。 そして、そのキラキラがだんだん消え、疲れきっていく姿もまた、毎年の光景だった。 入社面接で「将来は独立して、お店(ケーキ屋さん)を出したいです」と9割の学生が言う。 わたしは「どうしてまだなにもしてないのにそんなこと言っちゃうの?」と心から疑問に思っていたので、「それはまあどうでもいいや」とかわし、「学