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いわしくん☆いのちをいただくとは☆
息子が3,4歳ころから、
魚が食卓にのぼると
「これは死んでるの?」とよく聞かれました。
「え?いや、どうかな・・・」
(死んでるは死んでるけど、どうかな、食事中にその言葉はどうかな、
それにナマモノっていうから、死んでない?
うーん、泳いではいないけど、え、でも、焼いてある?うーん・・・)
と小さな声でブツブツつぶやく私(笑)。
そして答えが分からない私は、
そこには言及せずに、
「私たちは生き物の命をいただいているんだよ」
と答えて来ました。
単純に腑に落ちていないようで、
また魚が出てくるたびに聞かれ、
その度に、やっぱり
「私たちは生き物の命をいただいているんだよ」
と答えて来ました。
一年以上が経って、最近はもう聞かれなくなったのですが
腑に落ちていなかったのは私の方だったのか、
ずっと気になっていて、
子育て支援センター時代からお世話になっている先生に
(子育て支援センターがこども園の中にあるので、今でも毎日会えます♪)
このことを話してみました。
すると、
「良い本があるよ!」と教えて下さったのが、
『いわしくん』 菅原たくや 文化出版局
早速、図書館で借りて
息子を膝にのせて、読んでみました。
シンプルな言葉が並んでいて、
そしてシンプルな絵で描かれているのですが、
読み終わって、
私の方がじーんと涙が出そうになりました。
最後のいわしくんの瞳が、
私にはとても輝いて見えて、
すごく感動したのです。
物語ではなく、事実だけが述べられ、
お説教のような文章は全くないからこそ、
直に心に届くような気がしました。
読み終わって、
じーっと何かを考えているような息子。
この時間、きっと大切な時間。
私は、
感想は聞かずに、静かに黙って見守りました。
子どもが産まれてから、
いや、多分下手なりに、きちんと料理に向き合うようになってから、
食べることは生きること、
私たちは生き物の命をいただいているということを
ものすごく感じるようになりました。
命をいただいているし、
私たちの代わりに、獲ったり、捌いたり、収穫して下さっている
誰かがいるということ。
そこからまた、食卓にのぼるまでの間にも
沢山の方々がいて、
そういうことを毎回の「いただきます」で感謝して
食べるようになりました。
そして普段の食事に感謝するようになると、
それがたとえレトルト食品でもスーパーのお惣菜だとしても
沢山の誰かのおかげでここまでやってきて、
生きることを支えてくれていることは
変わりなく、
「少しでも楽になるように」という想い、
気持ちが込められているようで、
やはり有難いなぁと感じます。