冬紅葉☆ 80 sachi 2021年11月19日 16:53 「飛び立てぬ翼果もありて紅葉散る」(季語:紅葉散る) 夏に初めて見た紅葉の翼果(よくか)。先日訪れてみると、ちらほらまだ残っていて少し残念な気持ちになった。これが自然の姿。飛べないからと言って、そのまま在り続けることもない。・・・思わず「ひゃー」と言いたくなるけれど(笑)、やっぱりそれが自然なんだ。 秋が暑すぎたのか、山の麓にある谷は紅葉がほとんど始まっていなかった。 「茶の花や祖父母のいない庭の前」(季語:茶の花) 祖父母の里山にある茶畑。幼い頃から目の前にあったのに、初めて見る茶の花。 祖父母の家に行くのはいつも夏休みか、正月を過ぎた冬休み。私にとって茶畑は風景の一部であり、茶の花の存在自体、考えたこともなかった。慎ましく、品のある姿はどこか祖父母の姿に重なる。 時々、祖父母はさみしくなかっただろうか、と考えたこともあったけれど、訪れたことのなかったこの季節の山を見て、ただただ毎日を丁寧に暮らすことは、決してさみしくもつまらないものでもなかったのだろうと感じた。 思い出すのは、きちんと整えられた家の中と庭。だからなおさら、このさみしさと山の美しさとのコントラストが胸に迫る。 この記事が参加している募集 #ふるさとを語ろう 13,846件 #俳句 #紅葉 #ふるさとを語ろう #note俳句部 #里山 #冬の句 #冬紅葉 #茶の花 #紅葉散る 80 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート