やさしい時間☆
『のはらうた』って知ってますか?
中学の時、国語の授業でこの中の詩をいくつか載せたプリントが配られました。
先生はこの本が大好きなんだと。
そしてワクワクした顔で、「のはらうたを作ってみよう」
と言いました。
「詩」の授業の一環と言うよりは、教科書にも載っていないし、先生の素敵なアイデアのような感じでした。
先生がその時言ったことは、
一年生の全クラスで一人一人、野原の植物や虫たちになりきって自由に詩を書く。
出来上がったら全員分印刷するけれど、誰が作ったかは絶対に秘密。
名前ももちろん自由に考える。
誰が作ったか、絶対に言わないとのことで(もちろん先生だけには分かるけれど)、みんなワクワクして作りました。
そして出来上がったものが配られると、みんな夢中で読み、
「私はこの詩がいいなぁ」と授業が終わっても友達同士感想を言い合いました。
それぞれ自由にいきいきと表現されていて、「みんなすごいな」「同級生でこんなに素敵な詩を書ける人がいるんだ」とものすごく衝撃を受けたのを覚えています。
本当に最後まで誰が書いたのか分かりませんでした。
だけれど同じこの学年の中に、こんなに素晴らしい詩を書く人がいるんだなということは、とても素敵なことに思えました。
私はというと、一本の花になり切って書きました。
え?内容?もちろん中1らしいベタな恋愛の詩です(笑)。憧れの3年生の先輩に向けた当時の自分の気持ちを思う存分ぶつけました(笑)。
国語の先生がものすごく好きだったのも思い切り書けた理由です。
この先生だけは私のことを分かってくれているという絶大な信頼があったので、国語の作文は大好きでした。思っていることを全部この先生に、まるで手紙のような気分でいつも書いていた気がします。
三つ上の兄の時も、この先生が担任を受け持ったことがあったので
私の兄のこともよく知っていて、
ある年の読書感想文に先生から、
「お兄ちゃんの時も思ったけれど、さちさんの文章をよんでいると幸せな気分になれる。きっと素敵なご両親に育てられたのでしょうね。読書感想文の感想でした!」
と書かれていてとても感激しました。
「素敵な両親かなぁ?」とは当時思ったけれど(笑)、兄のことを褒められたのはすごく嬉しかった。
兄は中3の時にはすでにバンドをやっていて「優等生」ではないけれど(不良でもない(笑)そして町イチの進学校へ行きリーゼントへ(笑))、きちんと人を見てくれる、中学時代にこの先生と出会えたことは本当に私の人生にとって大きなことでした。この先生がいなかったら、大人への不信感しかなかったと思う(笑)。
サッカーの「ヴェルディ」が大好きで「お正月は公開練習を観に行くから、年賀状の返信は遅れます!」といつも言っていたことや、「スイスに旅行に行ってきます」と2週間ほど学校を休んだり(笑)。兄は先生のことを「あの先生はお嬢様だからなぁ」と生意気に言っていたけれど(笑)、こういう先生だから良かったんだよね!
話は戻って(笑)、
詩はそれ以来書いたことはないのですが、詩って短いけれど、
自分の心を照らしたり、寄り添ったり、
人の心に響いたり、、
私には分からないけれどきっと暗い詩であってもそれに救われる人もいるんだろうなと。
リズムなどの詩の定義は語れないけれど(笑)、私が思うに
共感がうまれる余白・曖昧さがあるのが「詩」なのではないかなと。
たとえば俳句では「余白」が大事だとよく言われます。そこに詩情が生まれるんだと。説明を詰め込まないからこそ、読者のそれぞれの記憶が入り込む余地があり、共感が生まれる。考えてみればその通りだなと思う。
ちなみに俳句では「鑑賞」というのがあるので、自分が共感できなくても人の鑑賞を読むことによって「ああ、なるほど」と、まるで初めて読む小説のように新しい発見があったりします。これがまたおもしろい。
俳句も詩の一つだけど、一般的な?「詩」で「鑑賞」って私は聞いたことがない。それもまた良いなぁと思う。そういえば若い頃は銀色夏生さんの詩をよく読んでいました。
言葉で説明できない気持ち。
それをまた、言葉にしたくない想い。
誰とも共有したくない、自分だけのもの。
よく分からないけれど心に響いてくる。
若ければ若いほど、きっとそれで良い。
それでもまずはとっかかりとして、やっぱり学校で「詩」を学ぶことって大事だなぁと思う。外国では教養として「詩」はとても高い位置にあるそう。
ちなみに5クラス162人。
夢・希望・不安・怒り・葛藤・恋・友情
一人一人のさまざまな想いを「詩」として書きだす。
とても素敵な経験をさせてもらいました。
あらためて読んでみようとページをめくったら、涙が出そうで今はやめました(笑)。あらためて、一人の時間に・・・☆
一本の花になったことがある!と思い出した、詩人であるMarmaladeさんの記事です♡ ↓
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