商業出版したいのなら知っておきたいこと
先週、「書籍編集者でもある私と一緒に、出版企画書をつくりましょう!」と、この場をお借りしてお伝えしました。
実際に「出版企画書をつくりたい人を募集する」という行動を起こしてみて感じたのが、「いつか本を出したい」と思っている方は、やはりいらっしゃるんだな、ということ。
ただ、
に関しては、どこかふわっとしていて、具体的にイメージしにくいのかな?と感じました。
だから、自分が著者としてふさわしいのか、そうでないのかがわからない。今の自分に何を足したら、商業出版できるのかがわからない。
なぜ、あなたはその本を買ったのか
この点に関しては、逆転の発想で考えるといいと思います。
今あなたの手元にある本を、なぜあなたは買ったのでしょうか?
シンプルにこれ↑です(「誰かのおすすめで買う」は除外した場合)。
この3つの質問に対する答えを突き詰めていけば、商業出版できるテーマ、人が見えてくるはずです。
ざくっとまとめると、
ということになるでしょうか。
出版社は何をいちばん重視しているか
❶【市場性】❷【著者性】❸【影響力】のうち、出版社がいちばん重視しているのは、おそらく❸【影響力】です。
なぜなら、出版社が本を出すいちばんの目的は「利益を得ること」であり、本の存在を多くの人に認知させる力を持っている人は、本を売る力があると見なされるからです。
そもそもそれだけの影響力を持っているということは、その人のコンテンツに力があることの裏づけにもなります。
書店に流通させる本をつくるのに、だいたい200万円くらいかかります(それ以上かかることも多々)。
その費用を回収できないと、赤字になってしまうわけです。
本を出した著者さんががんばってプロモーションをするのは、「自分の本だから売りたい」という個人的な欲ではなく、「出版社に赤字を背負わせたくない」という責任感によるものだったりするのです。
「商業出版したい」と本気で思うのであれば、この点はしっかり認識しておいたほうがいいと思います。
もちろんネットでの影響力がすべてではありません。
書店に並んでいる本に偶然目が留まって、買ってくれる人もいます(この場合は❶【市場性】と❷【著者性】がものをいう)。
ただ、書店がどんどん減っている今、書店で本が人の目に留まる機会は物理的に減っています(現在、書店のない市町村は全体の約26%。書店の数は10年前の約半分)。
そのため、ネットでの影響力が重視されているわけです。
予約時のアマゾンでのランキングによって、出版社の采配が変わることもありますし(帯の文言の変更、刷り部数の増加)、アマゾンで売れていると書店での扱われ方も変わります。
ちなみに、ここまでのお話は、あくまでビジネスや生き方、子育てや教育などの一般書、実用書に関していえることです。
エッセイや小説など、文芸の要素が入ってくるものは、また違う点が重要になってくると考えていただければと思います。
ここまでお話ししてきた❶❷❸の観点から、今の自分は商業出版に手が届かないと自己判断されたとしても、「本を書きたい」という思いをもとに出版企画書をつくったり、その企画書をもとに電子書籍を出版したりして、自分の考えをまとめることには意義があると私自身は思っています。
なぜかというと、その過程で視点が変わり、見える世界が変わるはずだから。
「もしかしたら、違う切り口で打ち出したほうが、自分のコンテンツの強さを打ち出せるかもしれない」
「独自のポジションを獲得するには、これを軸にしてもう少し実績を積み重ねる必要があるな」
編集者と一緒に出版企画書をつくると、その過程でこういった「思いも寄らなかった気づき」を得られることがあります。
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