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50代以降をどう生きるか?のヒントになった一冊
その年代ならではの共通の悩みってありますよね。その年代になったからこそ感じる漠然とした不安、というのもあります。
そんなとき、ひとつ上の年代の方の話を聞けると、これからの生き方の指針になったり、「これでいいんだ」と安心できたりします。
ただ、私が普段やりとりするのは、同年代(±5歳くらい?)もしくは下の年代の方たちがほとんど。
上の年代の方とのつながりってほとんどないな……と、先日ふと気づきました。
そんなタイミングで私が読んだ本がこちら。
80年代にアイドルとして一世を風靡した小泉今日子さんが、「50代以降をどう生きるか?」をテーマに25名の先輩方と対談した雑誌連載をまとめた『小泉放談』です。
彼女自身、40代後半のときに8歳年上のお姉さまを亡くしたのもあって、50代をどう生きるかを深く考える機会があったのだと思います。
私が立ち上げる予定の電子書籍レーベル「かくたすBOOKS」で進めている原稿の中に、この本から引用した文章があって、気になって読んでみたら今の私が読む本としてバッチリだったんです(著者さん、ありがとう!)。
小泉今日子さんって、当時のトップアイドルの中でもちょっと異色といいますか、独特の存在感を放っていた気がします。
そして今も「過去のアイドル」ではなく、現在進行形で唯一無二の存在であり続けている稀有な人。
でも、その独特の存在感が彼女の何によって生まれているのか、そもそも彼女はいったいどういう人なのか、私は今まで意識を向けたことがありませんでした。
しかし、この本を読んで、なぜ彼女がここまで長い間多くの人から支持されているのか、少しわかった気がします。
・トップアイドル時代から、周りに流されない「自分」を持っていた。
・周囲の人にチヤホヤされても浮き足立つことなく、自分の中に「普通」をキープしていた。
・決して自己中でもかたくなでもなく、自然体でしなやか。
・相手の素敵なところを独自の視点で見いだすことができる。
そんな彼女を目の前にすると、どんな人も胸襟を開いて、思わず本音を話してしまうようです。
本の中の会話のやりとりから、そんな小泉さんの生き方、あり方が伝わってきて、「なるほどなぁ」と思いました。
私自身、これからありたい姿のサンプルのひとつになった気がします。
小泉さんがお話をされた先輩方からも、
「肩の力を抜きつつも、周りに流されることなく、自分の感覚を研ぎ澄まし、人生の終わりを感じ始めるからこそ『好き』『やりたい』は躊躇せず実行し、嫌なことがあったとしても『みんないろいろあるしね』と受け流す」
という50代をしなやかに生きるための姿勢を学ぶことができました。
対談の途中に入っている小見出しを拾い読みするだけでもヒントをもらえそうです。
☑️「がんばらない」のが、大人のペース
☑️ 家族とも違う、濃いつながりがこれからのライフライン
☑️ 大人の話を聞きたい。素敵な大人の声を、もっと
☑️ やらされることも、大事な経験
☑️ スローダウンは、まだ早い
☑️ その人の「覚悟」は、佇まいに表れる
☑️ やりたいことは、いつからだって
☑️「やらないこと」を決めていけば
☑️ 起こったことは、すべて「いいこと」
☑️ いくつになっても、成長欲求はある
☑️ 流されないよう、自分で立って
☑️ 自分で決めれば、人生、ずっと上り坂!
☑️ 生きやすい、楽しいほうへ
本の中にあった先輩方の素敵なお言葉も、いくつかご紹介しますね。
樹木希林さん
「それが一番表れるのは、人を見て態度を変えないかどうかなの。浮き沈みの激しいこの芸能界で、人の立場とか人の状況で自分の損得を考えないということって実は大事なこと。それはたぶん、資質なのよね。あなたはきっと、小さい頃から覚悟が決まっていた人。そういう感じは、不思議と表れるのよ。佇まいになって」
平松洋子さん
「ネガティブに感じられるかもしれないけど、『これをやらない』ということを決めるのって、私は大事な選び方のひとつだと思うんですよね。夢とか『こうなりたい』と設定するのは、ポジティブに見えがちだし、わかりやすく思えるんだけど、『やらない』『選ばない』ということも、実はちゃんと選んでいるし、大変な決意なんじゃないか……と」
槇村さとるさん
「50代になると、やっぱり死をリアルに身近に感じるじゃないですか。『時間がない』という思いが、自分の中で消しようがなくなる。だから、当然ですけど『もう好きなことしかしない』と、シンプルになりましたね」
片桐はいりさん
「『あるよね、そういうこと』っていうくらいに捉えておくと、悪いことは起きない感じがしますよ。今でも気持ちの安定を脅かすようなことはいっぱい起こるけど、しれっと全部受け入れるっていうか。『しょうがないもんねー』って」
これからも本を読むことで、上の世代の方たちの知恵をいただけると思うと心強いです。
困ったら、本を開けばいい。
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