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映画感想文「がんばっていきまっしょい」青春映画の王道アニメ。原作は何度も映像化された人気小説

これぞ、青春映画の王道。

30年前、松山市主催の「坊ちゃん文学賞」受賞の小説。その後すぐに原作者が監督で映画化された。主演は本作がデビュー作の田中麗奈。彼女の鮮烈な印象もあり記憶に残っている。

愛媛県松山市を舞台に、ボート競技に打ち込む女子高校生を描いた青春映画。全員ほぼ初心者の彼女たちが汗をかき涙を流して頑張る姿が、ザ・青春。

その後も、鈴木杏が主演、錦戸亮、相武紗季などが共演でテレビドラマ化。

という感じで、大人気である原作。それが今回初めてのアニメ化である。

高校2年生の悦子。人より少し身体も大きく成長が早く、幼い頃は運動も勉強もできるイケてる子供だった。でもいまは凡庸な人、になっている。

やりたいことも見つからず平凡な日々を過ごすある日、転校生の梨衣奈がやってくる。彼女に押し切られ、いまは廃部となっているボート部を復活させることに。

そこから、彼女たちの初心者ばかりのボートチャレンジが始まる。

もちろん最初は惨敗。そこで悔しさを胸にした彼女たちは変わっていく。

いやー、あらすじわかっちゃいても、胸が熱くなる。これが青春だよねと思う。

思春期のダメな自分との葛藤、仲間との友情、初めてのチャレンジ、挫折と栄光。これらのセオリーが全部網羅されている。その上、ハード過ぎない。ある種の緩さにより、気軽に見ることができる隙間がある作品だ。

そして何より、本作はタイトルが良い。過去の映像化でも常にこのタイトルが使われていることからも分かるように、松山市の高校で実際に使われていると言う「がんばっていきまっしょい」が、キャッチーで耳に残る。

タイトルの勝利。本作を特異たらしめているのはタイトルである。と言ったら言い過ぎだろうか。

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