映画感想文「僕はイエス様が嫌い」22歳の奥山大史監督の才能ほとばしる。普遍的で個性的って凄い
全くノーマークだった。
しかし、来週公開の「ぼくのお日さま」を観ようとチェック。奥山大史監督を見つけた。
大学時代に作成した大竹しのぶのショートフィルムが高い評価を受け、22歳で監督した本作がサンセバスチャン国際映画祭で最優秀新人監督賞を受賞。という若手のホープ。
苗字を見てもしかして、とググって知る。やっぱり。
元松竹専務で映画プロデューサーの奥山和由氏の次男であった。ちなみに和由氏の父親は松竹社長である。
俄然興味を持ち、足を運んだオールナイト上映。彼の作品及び彼が影響を受けた作品がオールナイトで公開されるというイベントだ。
先に言っておく。決して親の七光りではない。その証拠に本作は素晴らしかった。普遍的に心を打つものがある。それでいて個性的。
衝撃を受けた。
東京から雪国(たぶん青森らへん)に転校してきたユラ。学校では日常的に礼拝があることに戸惑いつつもだんだん馴染み、友人もできる。そんなある日、彼だけに見える小さなイエス様(小さな妖精、みたいな)が現れる。それはなんでも願いを叶えてくれる存在であった。
という一見唐突な出だし。コメディか?と身構えたら結果として非常にエモーショナルな作品であり、度肝を抜かれた。
そうきたか、という普遍的なテーマ。しかもそうきたか、の持ってきかたが普通と違う。やっぱり才能が溢れてた。
昨年ハリウッドで「ネポベビー」という言葉が話題になった。活躍する俳優達はみな親も俳優だったりプロデューサーで映画産業に関わってるという話だ。
親の七光り、と訳されることもあるが、ニュアンスはちょっと違う。才能なくて登用されてる訳ではない。実際に才能はある。
でも、その才能は恵まれた環境で育まれた、というようなニュアンスだ。「育ちが良い」的な。確かに才能が花開くには環境が大切だ。
でもそんな才能のおかげで素晴らしい作品を観ることができた。ありがとうという気持ちになった。
そして決めた。「ぼくのお日さま」は必ず観よう。9月13日公開。楽しみである。
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