映画感想文「熱烈」激推しの快作。ブレイキンの全国大会目指す青年の青春ストーリー
どうしようもなく心が躍った。
ベタな展開なんだけど。それでも心を揺さぶるパワーのある作品。今年観た中でBest10に入るかも、の作品。
アクロバティックなストリートダンス、「ブレイキン」で大会出場を目指す青年チェン(ワン・イーボー)。病気の家族を抱え、家業のレストランを手伝いアルバイトを掛け持ちする暮らし。華やかな場とは程遠く、カツカツの地味な毎日。でもその中でずっと「いつか全国大会に出たい」と、ひとりダンスを続けてきた。
ある日彼に、憧れていたチーム「感嘆符!」の代役の話が舞い込む。喜ぶチェンであったが、その行方には多くの困難が訪れる。はたして彼は夢を果たせるのか。という王道ストーリー。
ストーリーは凡庸ながら、何しろダンスが最高にエキサイティング。
いやあ、ワクワクさせる。
そして演者の配役のフィットぶりと好演。
主役の青年を演じる、「無名」で初めて知ったワン・イーボー。もともとアイドルグループのメインダンサーでラッパーでもあったということで、リズム感抜群でダンスも上手い。正に彼が輝く舞台設定。
しかもイケメンだが少し土臭い感じが混じる、洗練されすぎてないところが、魅力の彼。その個性にぴったりな、ダンスが上手いんだがイマイチブレイクしない不器用な苦労人、という役柄。あてがきかと思うハマりぶり。
更にチェンと絡み多いチームのコーチ(ホワン・ボー)。これがまたいい味出してて良い。人情派だったと思えば合理的なところもあったり、リアルな人間像を好演。イケメンではないが、困り顔も喜んだ破顔も、表情豊かで愛嬌あり、人を惹きつける。
この2人のナイス演技に加え、個性的なチームメンバーがそれぞれ素敵。
いやー、オリンピックでも正式種目になったブレイキン、かっこいいなー。ほんと、スポーツだなー、を体感できる映画。スカッと爽やか、おすすめ。