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映画感想文「ゴースト・トロピック」何気ない人との触れ合いを淡々と描く。人生はこの積み重ね
人と人の何気ない触れ合いを描く。
この監督の作風が好きだ。
イスラム系移民のハディージャ。掃除婦の彼女は1日中働いた深夜、最終電車に乗る。しかし寝落ちしてしまい、気がつけば終点。
タクシーに乗るお金はない。やむなく徒歩で自宅までの道を歩くことに。
その道中で、彼女は様々な人々とすれ違う。
路上で眠る浮浪者、閉店間際のコンビニ店員、病院で夜勤の看護士、などなど。
そこでの彼らとの会話や振る舞いで、彼女の今までの人生が垣間見える。
移民としてひっそりとこの街で生きてきた。働き、子供を産み育て、根を下ろしてきたであろう生活が見えるのだ。
その中には、偶然すれ違う、彼女の娘もいる。地元の若者たちに混じりすっかり馴染んでいる娘。娘世代と彼女達移民1世の間には大きな隔たりがある。
娘役の女優さんがキラキラ綺麗で輝いてる。よく見れば美しい顔立ちではあるが、すっかりやつれて疲れ果てた母の顔とは全く違う。
親子だから、ところどころ似ている。にも関わらず全く異なる2つの顔。そこにそれぞれの人生が見える。
こんな風に人間が見えるところが好きだ。静かで力強い作品。