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映画感想文「マザー」奥平大兼の出世作。長澤まさみの体当たり演技が凄い

どこかにこんな子供がいる。

いまこの瞬間も。

そう思うと、胸が痛い。

シングルマザーのアキコ(長澤まさみ)は、働かずパチンコ通いのどうしようもない母親だ。

それでも幼い息子のシュウヘイ(奥平兼行)にとって唯一の肉親。そして時々泣きついてくる母親を幼な子は放っておけない。指示に従い、祖父母にお金を借りにいったり、犯罪を犯したりする。

どんなに幼くとも、自分より弱い誰かがそばにいると、自分が頑張らねばと思う。それゆえに彼は踏ん張る。全部を背負う。

小学校にも通わせてもらえず、住む場所もなく、親の人生を背負わされる子供。

肉体的な虐待とは違い目に見えない。それでもこれは立派な虐待だ。

親だって大変だ。それでも子供はちゃんと保護されるべきだ。あってはならない事件である。

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