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映画感想文「スオミの話をしよう」長澤まさみの華で最後まで引っ張る作品。ちょっと惜しい

長澤まさみが好き。

だからみたけど、本当に長澤まさみ頼みの作品であった。

売れっ子詩人の寒川(坂東彌十郎)の妻スオミ(長澤まさみ)が失踪する。

警察沙汰にしたくない寒川は、知り合いの刑事草野(西島秀俊)を呼び出す。彼はスオミの四番目の夫だった。

その後次々と現れるスオミの元夫達。YouTuberの十勝(松坂桃李)、庭師の魚山(遠藤憲一)、警察官の宇賀神(小林隆)。

元夫達が語るスオミはそれぞれ全く異なっている。それがツボ。それぞれの違うキャラを演じる長澤まさみが、どれも魅力的で楽しめる。

しかし元夫達は豪華俳優を配しながら、いまひとつ活かし切れてなくて、惜しい。もう少しやりようなかったのか。ドタバタコメディにしてもあまり笑えなかった。

このストーリーと似てる小説。有吉佐和子の「悪女について」という作品がとても好きなんだが。27人の元夫や息子や様々な周囲の人が彼女について語る。その人物像はそれぞれ全く異なってる。

あれ?いったい、彼女の本当の姿はどれなんだ、というストーリー。(いや、どれも彼女だし、相手に合わせて変えてただけなんだよね、ということだと思うのだが)

この小説くらい振り切って欲しかったし、訳ありな事情が欲しかったなと思う。俳優陣が素晴らしいだけに、ちょっと、残念。

それでも華がある長澤まさみのおかげで最後まで観れたことに感謝。本当に素晴らしい女優さんだと思う。

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