映画感想文「Winny」東出昌大の好演光る、真実は小説よりも切ない
善とも悪とも判断つかぬ。
この人の佇まいに、毎度そんな戸惑いを感じる。
東出昌大。
不倫騒動は関係ない。その前から作品を見る度に感じてた、ざわざわ感。そう、性別が異なれば「魔性」と呼ばれる類いのもの。なぜか、目が離せない。
20年前、ファイル共有ソフト「Winny」の開発者金子勇が著作権違反幇助の容疑で逮捕され、一審で有罪判決、その後7年間戦った事件を描く主演作。
幼い頃からプログラミングに没頭し、32歳で東京大学大学院特任助手に就任。1週間で作り上げたWinnyは100万人が利用。そんな天才と呼ばれた男の無邪気さや危うさ、常人には理解できないアンバランスさを見事に体現してる。
最高裁で勝訴するも、1年半後に急性心筋梗塞で死去。享年42歳。
あまりにも早すぎる。事実は限りなく切ない。
金子の弁護を引き受ける弁護士、壇俊光役のダブル主演三浦貴大が拾い物。父親(三浦友和)譲りか、誠実な演技に好感を持つ。
それぞれ、自らの個性を活かし好演。
いろんな意味で唸りポイント満載。考えさせられる映画。