映画感想文「雪の花-ともに在りて-」江戸末期、天然痘の予防接種で人々を救った町医者の物語
松村桃李、時代劇もいけるのか。
という熱演。
しかし惜しむらくは、内容は良いのに地味な映画であること。抑揚がなく淡々と話が進む。素晴らしい史実にキャスト。ちと勿体無い。
江戸時代末期に死の病だった「痘瘡(天然痘)」。これに立ち向かった福井藩の医師笠原良策(松坂桃李)とその妻(芳根京子)の奮闘を描く。
腕に傷口を作り、天然痘の膿を植え込むという手法。いくら予防になると言われても怖かったろう。当時は予防接種なんて考えも定着してないわけで。
私の世代だと子供の頃、まだ予防注射をしていたから、その後が残ってる。しかし既に1980年に絶滅宣言された病らしい。既に現代にはない病なのだ。
こうして過去に多くの人の頑張りで人間は様々な病を克服してきたのだなと思うと感慨深い。
そして本作にも名脇役、三浦貴大、宇野祥平が登場。この2人、この一年観た映画の中にかなりの確率で当時している売れっ子である。映画ってこういう脇を固める布陣の層の厚さでもってるとこ、あるな。