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映画感想文「チャチャ」キュートで切ない恋物語。人は皆孤独の中に生きてる。伊藤万理華が可愛い

驚いた、そして笑った。

なんだか爽快。全く予想できない展開だった。入り口と出口がこんなに変わる映画は初めてかも。

デザイン事務所に勤めるイラストレーターのチャチャ(伊藤万理華)。カラフルでガーリーな服を着て毎朝ゆっくり出勤。周囲のことは気にせず好きなように生きる自由奔放な女の子。

好き勝手やってるのに社長(藤井隆)のお気に入り。男性社員からもウケが良い。しかし、周囲のお局たちからは陰口を叩かれ、同年代のリン(藤間爽子)からも嫉妬されている。

勤務するデザイン事務所の屋上で出会った同じビルのカフェ店員ラク(中川大志)。無愛想でミステリアスな青年だ。そんな彼にチャチャは惹かれていく。

しかし彼女はある日彼の家で見てはいけないものを発見してしまう。そこから彼女の恋は思わぬ方向へと、急展開をしていく。

伊藤万理華がめちゃくちゃ可愛い。そして絶妙にあざとい。こういう人、たまにいる。リアルだ。最初はひいたけど、周囲になびかないその生き方にある種の諦観と覚悟を感じ、段々と好きになった。

そして中川大志。なんて色っぽいのだ。無口設定なんでセリフは多くない。それでも目線やちょっとした表情に、彼の抱える鬱屈や孤独が見事に表現されていた。

彼らに絡むカップル、ヒモ男(塩野瑛久)とフィリピン人のピオニー(ステファニー・アリアン)。この2人の物語も素敵だった。

なんだか日本版アメリ的な、ガーリーでブラックなおとぎ話。意表をつく展開、裏に見え隠れする人間の残酷さとか孤独。そして温かさや希望。そんなものにほっこりした作品。個性的でおすすめである。

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