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映画感想文「ジョン・ガリアーノ世界一愚かな天才デザイナー」光と闇の混じる興味深いドキュメンタリー

すっかり魅了された。

ジバンシーやディオールのデザイナーを歴任したジョン・ガリアーノ。彼のドキュメンタリー映画である。これがまた、とんでもなく素晴らしいできであった。

何がって、その才能と人間的魅力に存分に惹かれながらも、彼の闇も垣間見える作品になっているのである。

2011年に不適切発言をしたことで業界から干された彼が、なぜその失敗に至ったかを人生から振り返っている。なぜそんなことをしてしまったのか?それを振り返っている。

労働者階級に生まれ成功して見返したかったからとか、年に23回もコレクション開催を課せられてて過労だったからとか、右腕となる存在が自死してしまい失意のどん底にあったからとか。いろいろな理由が最もらしく、述べられる。

しかしながら、そんなこと、あまり関係ないのではないかという印象が拭えない。それよりもインタビューの合間にも見え隠れする彼の天然ぶりが目について気になってしょうがないのだ。

創作が命。世辞に疎く人の気持ちにも鈍感。それ以外のことは関心のない偏った天才。というようなことがわかる発言の数々。

でもそんなことをさて置くことも、許されて良いのではないかという圧倒的なジーニアス感。これも明らかに示される。若い頃からの度肝をぬくステージ。華やかで唯一無二の作品たち。素人の私が見ても圧倒的な才能。

本人のインタビューを中心に生い立ちから当時の映像や写真を添えて振り返る構成になってる。ひとりの人間の光と闇を映し出す生々しいドキュメンタリーになっている。

非常に見応えあり、おすすめ。

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