映画感想文「化け猫あんずちゃん」大人も子供も楽しめるシュールなアニメ作品
シュールなアニメ作品である。
お寺の和尚さんに拾われた捨て猫「あんず」。いつの間にか猫の寿命を過ぎて30年経っても、元気に生きていた。
そしてある日人間の言葉を話す。37歳の今は、バイクに乗ったり庭を箒掃除したり、夕ご飯の支度をしたり、まるで人間のような振る舞いをする。そして周囲も、あら、ちょっと変わった猫だね、くらいの受け止め方で受け入れられている。
そんなお寺に20年間音信不通であった不詳の息子てつやが、娘を連れやってくる。小学5年生のかりん。母を亡くし、家族は父だけ。そしてその父は嘘つきの無責任男。借金を重ねて逃げ惑う生活。と、八方塞がりの11歳。
そんなかりんとあんずのひと夏の物語である。いい話しかと思えば、そうでもなく。化け猫のあんずはパチンコ好きのゆるキャラで人間くさいやつで。一方のかりんもいわゆる「良い子」ではなく困った子供だったりして。どちらも品行方正ではないところがリアルである。
そして彼らの冒険。シュールであり笑えるけど、え?これってさー、とよくよく考えると深い意味が読み取れそうで、ちと怖い。
そんなシュールな作品。大人も子供も楽しめるアニメでおすすめである。
そして「あんずちゃん」の声は俳優の森山未來。この人の多方面に渡る活躍もすごい。