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映画感想文「プロミスト・ランド」マタギの若者が主役。セリフ少なめ、画で魅せる個性的作品
骨太な作品で印象に残る。
東北地方の山間の村。古い慣習を頑なに守る閉鎖的な場所。そこで燻り憤る若者の物語。40年前に発表された小説が原作。
実家の養鶏業を継いだ20歳のノブユキ(杉田雷麟)。やりたいこともない。かと言って今の仕事にも辟易としている。
若者がほとんどいない村で、兄貴分礼二郎(寛一郎)だけが辛うじて同年代である。
そんなある日。村人が集まる会合で。毎年恒例の熊狩りを禁止する通達が役所から来たと知らされる。
理由もわからぬ突然の通達。嘆きながらも何もしようとしない、父親や祖父世代の男達。思わず反論する礼二郎。そして引き込まれるノブユキ。
そして若者2人の反乱。
行きどころのない思いを抱える若者達がひたすら山を登っていく。その画が美しい。
セリフ少なめ。語りもなし。息遣いやため息、セリフなしの演技。行間がゆったりとられており、思考を巡らす余白が多くて良い。
静かに考えさせられる作品。これが長編初監督という飯島監督。個性的や作風が明確に現れた作品で表現者として素晴らしいと感じた。