映画感想文「ジャンヌ・デュ・バリー国王最後の愛人」久しぶりジョニー・ディップと豪華絢爛な宮殿を堪能。マイウェン良かった
魅力的な女性の定義はなんだろう。
そんなことを考えた映画。
フランス国王ルイ15世の公妾であったジャンヌ・デュ・バリー夫人の生涯を描く。
私生児として生まれた彼女は幸いにも幼い頃に教育をうけることができた。持って生まれた才覚とその教育を武器に高級娼婦としてのし上がり、国王までたどり着いた。
当時、貧しい生まれの女性が成り上がるには確かにこの手しかなかったに違いない。
主演のフランス女優マイウェンが脚本、監督も務めている。
「レオン」にも出ていたというが、記憶なし。初めてみる女優さん。
だったが、とても良かった。もっと姿形が美しい女優は他にもたくさんいるだろう。だが、彼女のエキゾチックな風貌、大きな口で高らかに笑う明るさ、くるくる変わる表情の華やかさが魅力的で、引き込まれた。
美しい人は沢山いただろう。だから、それ以外の秀でたものがなければルイ15世からすぐに捨てられていたはず。よって、美しさ以外の武器を持ち合わせていたに違いない。
マイウェンの演じた姿は実際のデュ・バリー夫人もこうだったんだろうなと思わせる説得力があった。
また、史実とは異なるかもしれないがデュ・バリー夫人を継子やルイ16世に愛を注いだ愛情深い女性に描いたところにも脚本監督としての彼女の意志を感じる。その解釈は好感が持てる。
ジョニー・ディップが晩年のルイ15世を演じている。好色で人たらしで時々まっとうになる。まさに地をいくさすがの演技であった。
ベルサイユ宮殿での豪華絢爛な撮影、衣装提供はシャネルと華やかさも楽しめる。
なかなか堪能できる作品である。