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映画感想文「ルート29」普通から少しだけずれたふたりのロードムービー。綾瀬はるか美しすぎる

確かに生きにくい。

世の中の普通からちょこっとだけでもズレると。

だから毎日一生懸命、普通に合わせてる。少しでもズレないように気を遣い、目立たぬように生きてる。少しのずれでも生きていくのに苦労するから。

そんな2人の物語。

人とうまくコミュニケーションが取れないのりこ(綾瀬はるか)は、孤独だ。地方都市で清掃員として働いている。職場で友達はいない。誰とも話さない。家に帰ればろくに家具もない部屋でひとり夕食を取る。

そんなある日、清掃に訪れた精神病棟で出会った女性(市川実日子)から「娘のハルを探して」と依頼される。

なぜかその依頼に応えようと旅に出るのりこ。姫路でハル(大沢一菜)を見つける。彼女はとても風変わりな女の子だった。スタイルは違うが共に世の中の普通から少しだけ外れているふたり。彼女達は国道29号をハルの母親のいる鳥取まで車を走らせる。そんなおかしなふたりのロードムービーだ。

彼女たちが旅の途中で出会う人々。カヌーを漕ぐ老人。山で出会う世捨て人の親子(父は高良健吾)。などなど、生きてるのか死んでるのかわからない人たちがたくさん出てくる。

感情が全く表れなかったのりこが、ハルや様々な人との交流を通し、徐々に喜怒哀楽を帯びてくるのが愛おしい。人は人によって彩られる。

しかし、いくら引きこもりのコミュ障といっても美しい綾瀬はるか。どんなに閉じていても周囲が放っておかないと思ってしまう。よって、演技以前にその華やかさが仇となり絵空事に見えてしまう。そこは本作のネックだ。

監督の独特のテイストで語られるおとぎ話はシュールで甘酸っぱい。

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