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映画感想文「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」内野聖陽と岡田将生主演、カタルシス得られる映画

パズルのピースが最後にきちんと収まる。

そんな美しさがある。スッキリとカタルシスを得られる映画。

真面目な税務署員の熊沢(内野聖陽)。権力に楯突くことなく平凡な人生を送ってきた普通のおじさんである彼が、天才詐欺師マコト(岡田将生)と組み、脱税王から税金を取り返すため、一世一代の詐欺を仕掛ける、というストーリー。

相変わらず芸達者の内野聖陽。

だって守らなきゃならない家族もいるし、もう少し我慢すれば定年で年金もらえるし。みたいなおじさんの逡巡が手に取るように伝わる演技。そしてそうはいっても権力に対して許せない。という葛藤、その過程で垣間見える姑息さや悲哀さを余すことなく繊細な演技で表現。

この人に任せた時点で成功だ。

更に相手役の岡田将生。こういう謎めいた、天才肌だけどどこか破綻してる人間、てのが最近多い。「ドライブ・マイ・カー(2021年)」に始まり、「ゴールド・ボーイ(2024年)」「ラストマイル(2024年)」など。

でもって、そういう役がとても似合う。よってこちらも配役の時点で成功間違いなしのキャスティングだ。

そして敵役、脱税王のタチバナ(小澤征悦)が、ベタではあるが、本当に本当にイケスカナイ奴で、こちらもナイスキャスティング。

その他にも、タチバナの側近の司法書士役の神野三鈴。正義感は強いが面倒臭い女の熊沢の後輩に川栄李奈。そしてマコトが集める詐欺師集団の面々も、素晴らしい。森川葵、上川周作、後藤剛範、真矢みきなど、くせもの揃いの芸達者が揃い、楽しめる。

韓国ドラマのリメイクだという。やるなー、韓国。これを「カメラを止めるな!」がヒットした上田慎一郎監督が小気味よく軽快な作品にまとめあげた。こういうの好きだ。

これぞ娯楽。楽しめる映画でおすすめ。

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