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映画感想文「せかいのおきく」黒木華の真骨頂な作品
黒木華という女優に注目している。
なにしろたくさんの作品に出ている。
「映画イチケイのカラス」「ヴィレッジ」「せかいのおきく」「ほつれる」と、私が観た今年公開された映画だけでも4作品で目にした。
もちろんいずれも全く異なる役なのだが、上品で知的で真面目なしっかり者で、でもどちらも過ぎなくて。そこが良い。
誰と組み合わせても不協和音が起こらない。
シリアスもコメディもいける。
だから多くの作品で呼ばれるのもわかる。
そんな彼女の個性があっていた作品。
江戸時代の終わり頃、父親が自分を貫いたゆえに没落し、貧乏長屋で暮らす武士の娘。肥溜めを集める商売の男と出会い、いつの間にか心を通わせていく。という絶妙に上品さと庶民的が必要な役柄。
おまけにコメディ要素とシリアスな悲しみが同居する作品。
こういう作品こそ彼女がイキイキと輝く。
ちなみに本作で父親を演じた佐藤浩市もまた、似たような要素を持つ売れっ子俳優である。
笑いと悲しみが同居する、わびさびな作品。