映画感想文「JFK/新証言 知られざる陰謀」ケネディ暗殺の真実を考察するオリバー・ストーン監督作品
その人の言葉に涙が溢れた。
遥か昔、異国の大統領の演説にも関わらず。
凄いカリスマ性だ。そして聞いていると明確なビジョンが見える。私が有権者なら、きっとこの人に投票するだろう。
史上最年少の43歳での当選。
ベトナム戦争の終焉を宣言。冷戦ソビエトとの積極的な国際外交。黒人の権利向上。
たった3年間の大統領。いずれも道半ばのため、評価は難しいものの、そこに描かれたビジョンの明確さは目を見張るものがある。
1963年11月、ダラスで銃撃された米国ケネディ大統領の暗殺の謎を多くの関係者の証言から探るドキュメンタリー作品。
ケビン・コスナーがケネディ襲撃事件の謎に挑む地方検事を演じた「JFK」(1991年)の監督、オリバー・ストーンが製作。
「プラトーン」(1986年)「7月4日に生まれて」(1989年)など、自らのベトナム戦争体験を作品に昇華させている監督の執念のドキュメンタリーである。
映画としては冗長で、少し抑揚に欠けるところがあるものの、ドキュメンタリーとしてはとても興味深い。
そしてナレーションをウーピー・ゴールドバーグとドナルド・サザーランドが担当しており、豪華な布陣となっている。
事実を積み上げていくオリバー・ストーン監督の考察に、震撼する。
これだからドキュメンタリー映画が好きだ。