映画感想文「下妻物語」神々しいまでに美しい深田恭子と土屋アンナ、20年ぶりのリバイバル上映
20年ぶりにリバイバル上映。
当時はそんな言葉なんて一般的ではなかった、シスターフッドもの。
そしてこれも当時はあまり認知されてなかった「地方都市の憂鬱」についても取り上げている。実はいろいろ先取りした作品である。
茨城県下妻市の田舎町に住む少女、深田恭子演じるロリータファッションの桃子と土屋アンナ演じるヤンキー娘イチゴ。見渡す限り田んぼの広がるジャスコしかない街。そこに生まれ育った一匹狼のふたりが出会う、友情物語。
スタイルが真逆のため、一見正反対に見えるふたり。しかし、その実周囲に惑わされず自分の好きなものを貫き通す様が激似で意気投合する。そう、田舎町で燻ってて自分を持て余してるところも同じだ。
自分の信じるものに対してのスタンス、若さも後押ししての迷うことなき妄信ぶり。当時は、そうそう、と共感したその姿も、今見ると眩しい。
ということで自らの変化をしみじみ感じる。
また、この当時キラキラしていた代官山に通いつめる桃子の様子に、あー、そうだったよなーと街の変遷も辿ることができて、懐かしかった。
なんといっても配役が神がかり的にぴったりでふたりとも好演。特に深田恭子のはまりぶりは凄い。彼女のロリータファッションは本当に可愛いらしく、それでいて不思議な清涼感がある。
いずれにせよ、若いふたりのまっすぐな真摯さに胸打たれる名作である。
まだやってるリバイバル上映。おすすめである。