映画感想文「新米記者トロッ子」櫻坂46の藤吉夏鈴主演、爽やかで読後感良き青春もの
爽やか、読後感良き青春もの。
晴れやかな気持ちで映画館を後にできる作品。
文学少女のゆい(藤吉夏鈴)は、全国文芸コンテストで毎年表彰者輩出の名門、櫻葉学園高校に入学する。なかでも憧れは緑町このは。彼女の小説の熱烈なファンである。
しかし憧れの文芸部の入部テストであるトラブルで途中退出。入部できないというまさかの事態に。
文芸部の部長である西園寺(久保田琳加)をお姉様と慕い、文芸部への未練たらたら。しかし、やむを得ず新聞部に入部。
そこには、彼女を厳しく鍛える鬼部長かさね(髙石あかり)、副部長はるな(中井友望)がいた。学校非公式の問題児のふたりだけの部活。
それでも反骨精神旺盛。真実を何より重んじ、プライドを持って徹底した取材を行う彼女たち。次第にゆいもそんな彼女達に尊敬の念を抱くようになる。
そして、トロッコと呼ばれ(業界では汽車のレールの上をただ走る、という意味に重ね新米記者をこう呼ぶらしい)、駆けずり回る日々が続く。
彼女達の未来はどうなっていくのか。
初主演の藤吉夏鈴は奮闘してて好印象、そして髙石あかりのうまさが光る。
「恋は光(神尾楓珠主演、2022年公開)」の小林啓一監督作品。前作もフレッシュで爽快な作品であった。扱うテーマが重くてもライトで爽やか。これはきっと、この監督の持ち味なのだと思う。