映画感想文「無名」アジアの新旧スターを堪能する作品。スタイリッシュだが付いてくのが大変
スタイリッシュなんだが。
訳の分からない映画だった。
分からない自分を責める。きっと、もっと歴史を真面目に学んでいたら理解できたはずだ。観終わった直後はそう思った。しかし、一周回ってやはりそういう問題ではない。
物語の時系列が何度も行ったり来たりする。クリストファー・ノーラン監督方式。なのだが、ランダムすぎて途中で脱落した。
しかし主演の二人は健闘していた。香港映画華やかなりし頃のスター、トニー・レオン。そして中国の新星、ワン・イーボン。
かなりハードなアクションも軽々やるし、顔のアップでの喜怒哀楽の演技。これも完璧。更に二人ともに、スーツの正装が似合うこと。眼福だ。
何度も出てくるから洗脳されたのか、最後には彼らの魅力にノックアウトされてしまった。
第二次世界大戦の上海。共産党、国民党、日本軍の三つ巴の騙し合い、スパイ活動を描いている。正に誰が敵か味方かわからない。緊張感の続くシーンの連続。
最後に種明かしされるところだけがやっと理解が追いついた。
しかし日本軍、実際にこんなだったのかもと思うが、日本人として観てるのがちょっと辛い。
これはよほど歴史に詳しい人を除き、美しい画像とスタイリッシュなムードと、新旧2人のスターを堪能する作品である。